夫に「うまい!」って叫んだ日。

古い話しになりますが。

 

娘が産まれたころのある日。

 

「最高級子ども服」のお店をテレビで見たのです。

某ホテルに店舗を構えるそのお店、お洋服の価格帯は、なんと1着、

6万から15万円!

 

バブル景気が吹っ飛んでからかなりの月日が経っていたので、私はびっくりして、

「まだまだ景気のいい人っているんだなあ。」の感慨を深くしました。

 

でも。

子ども服って、そんなに高いの?最低でも1着6万円って・・・。

 

娘はまだ0歳。

お洋服はお祝いのいただきものとか、おさがりばかりの、「タダ♡」状態、おかげで当時の私は子ども服の値段に疎くなってしまっていて、

「我が家では、お洋服のためにそんなお金は捻出できない・・・どうしよう。」

と、暗澹たる気持ちにもなりました。

 

その時、テレビのレポーターさんが聞いたのです。

「どうしてこのお店のお洋服はこんなに高いのですか?」

って。

お店の方の答えはこうでした。

 

「1点ものだからです。世界に、ただひとつのお洋服だからです。」

 

「ふーん。」

思いました。なるほどね。

高価なブランド物より、なおお高いのには、「他人とかぶらない」という理由が。

 

で、思ったのです。

 

「じゃあ、自分で作れば、それは世界にひとつだけの、1点ものになるんじゃない?」

 

って。

 

でも。

平素から女子力ゼロ、学生時代は体育の次に家庭科がキライだった私が、お洋服なんて作れるようになるものでしょうか?

 

そこで、洋裁学校を出ていて、私たち姉弟が小さい頃はいつもお洋服を縫ってくれていた母に相談しました。

 

「私もミシン、買ってみよーかなー。」

 

母「やめとき。手ぇ縫うだけやで。」(←きっぱり)

 

ぐぬぬ

さすが、長年私の母をしていただけあって、分析が冷静です。

 

だけど、どうしてもあきらめられず、ぐずぐず悩んでおりますと、ご近所のお友だちママさんが、

 

「ミシン、しばらく貸してあげるよ!向いてなかったら、買うのやめたらいいやん!」

 

と言ってくれて、だから、私の手作りは、友人から借り受けたミシンで始まったのでした。

その後、自分のミシンを購入、何着か縫っていくうちに、なんとなく、お洋服づくりの工程というか進め方のようなものがわかってきて、それからは、お裁縫も少しずつ楽しく感じられるようになりました。

 

だけど。

そのころ、つくづくと、そしてしみじみと感じることがありました。

それは、

「型紙通りに、指定通りに縫っているのに、なぜだか、雑誌のモデルの女の子のようにはかわいくならない。」

ってこと。

 

娘に出来上がったお洋服を着せて、矯めつ眇つ眺めて見ても、

「なーんか、違う。ちょっと違う。」

って気持ちが拭えないのです。

 

で、夫に聞いてみました。

 

「ねえねえ、どうしてこのモデルの女の子と、おんなじようにならないのかしら。似たようなお洋服を着せてるのにね。

 

なにが違うのかなー?」

 

って。

そしたら夫が言いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

「親。」

 

 

・・・。

 

 

えー。

 

いつもの私だったら、ここで、「きぃっ!」って怒るところだと思うんですが、

告白いたしますと、この時の私、夫に対して、

 

 

「うまいっ!」

 

って思ってしまいまして。

 

あまりにもおかしくて大爆笑、笑いのツボにドはまりしてしまい、怒ろうと思っても、うまくいきませんでした。

 

 

「なんだとぉ!?・・・あはははははははは

「けんか売ってんのー?!・・・ぬははははははは

「親のせいだって言うんなら、あなたにだって責任の半分はあるんですからねっ!・・・だははははははははは

 

って感じ。

 

ちっともコワくならなくて大失敗。

実はいまだに、あの時の夫の言葉がおかしくて、ひとりで吹き出してしまう時があります。そしてひとしきり笑った後で、失礼なっ!と思い至って、

 

むむっ。 

 

としています。(←遅い。)

 

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バンザイしたせいで、ウエストのリボンがはね上がってますが・・・。

当時、がんばって作ったワンピース。

スカートにせっせとギャザーを寄せたことを思い出します。

 

しかし!

苦手なお裁縫をあんなにがんばったのに!

肝心の娘が、

 

「一番好きなお洋服はパジャマ。楽だから。その次は体操服。楽だから。」

 

なんていう、身も蓋もない女子高生に育ってしまったのは、一体どういうことでしょうかっ?!

 

休日になると、中学時代のゼッケンがついたままの体操服でダラダラ~としている娘を見るたびに、

 

「なにかが違う、どこから間違えたんだろう」

 

って気になるのですが、夫に聞けば、また

 

「遺伝。」

 

なんてひとことで、ばっさり切り捨てられそうなので、

なにも聞くまい・・・。

と思っています。

 

 

ということで、久々の手作りは、妊娠中の友人のためのベビードレス。

のんびり編んでいたら、意外と時間がかかりました。

 

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帽子とセットなんです。かわいいの!

小さいんですよ・・・肩幅なんて5センチくらい!

母とふたりで「ちっちゃ!」「かわいい~♡」と大騒ぎしました。

 

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子どもが小さくてかわいいのは本当にわずかの間。

 

このベビードレスを着る予定の赤ちゃんもきっと、すぐに大きくなってしまうのでしょう。(そして体操服で家の中をゴロゴロするようになるのでしょう。は?それはうちだけだって?うむむー。)

でも、育児の思い出が、なるべくたくさんの笑顔と共にあるといいなあと思います。

 

秋の風が吹くころ、このベビードレスを送るつもりです。

包みをあける友人の顔に、笑顔が広がりますように。

 

 

 

えーっと、最近少々バタバタしておりまして…。

これから1週間ほど、時間が足りなくて、みなさまのブログにお邪魔をしても、コメントなどが普段通りにいかないこともあろうかと思います。

どうかご寛恕くださいますよう、伏してお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

 

富士山を見て感じること。

私が「富士山」を最初に見たのは、中学生の時。

修学旅行でのことでした。

 

テレビや写真でしか見たことのない富士山を、同級生と一緒に見るのがとても楽しみだったことを覚えています。

 

当時の日本は今よりも子どもの数がずっと多く、しかも、中学校はどこも大荒れの時代でしたから、修学旅行なんてカオスの象徴、今のお子さんがするような事前学習なんてのも皆無、ただ「富士山辺りに集団で移動!」っていうだけの修学旅行でしたが、子どもですもの、なんでも楽しかった記憶があります。

 

でも。

初めて富士山を見たとき。

私が感じたのは、何とも言えない「失望感」でした。

 

富士山と言えば、あの有名な北斎の絵、

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こういうの。

これが私の「頭の中の富士山」になっていたのだと思われます。

鋭角じゃないですか、この富士山って。

 

でも、私が現地で見たのは、こんな富士山。

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(写真はネットからお借りしました。) 

全然鋭角じゃない・・・。

富士山って、なんとなく「愚鈍な感じ」なんだなあ、というのが第一印象でした。

 

でも、最初の失望感が去った後、どこに行っても、なにをしてても目に入る富士山を見るたびに、私の胸中に去来したのは、

 

「恥ずかしい!」

 

って感覚でした。

 

なんだろう、「恥ずかしい」って???

 

今でもとても不思議です。富士山を見て恥ずかしいと思うなんて。

でも、顔を上げたときに、ふと富士山が目に入ると、とっさに、

 

「ああ、恥ずかしいっ!」

 

って思わずにはいられなかったのです。自分でも意味が分かりません。

 

なので、後日、太宰治を読んでいて、こんな記述と出くわしたときは、ひとり欣喜雀躍したものでした。

 

「どうにも注文どほりの景色で、私は、恥ずかしくてならなかった。」太宰治著「富嶽百景」より)

 

富士山を見て、恥ずかしいと思う人がここにも!

私だけじゃなーい!

 

大喜びした私は、以来、出会う人、誰彼となくかたっぱしから、

 

「ねえねえ、富士山見たことある?富士山見ると恥ずかしくない?」

 

って聞いたものでした。

でも、この感覚、とってもレアみたいで、共感してくれる人は一人もいませんでした。

 

ところが、数年前、何気なくテレビを見ていたら、いたのです。

富士山を見て「恥ずかしい!」を連発する人が。

 

この人。

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そう、絵本作家の「長谷川義史」さん。

「おじいちゃんのごくらくごくらく」とか「いいからいいから」でおなじみ、今や大人気絵本作家の長谷川義史さん。

その長谷川義史さんが、富士山を見ながら「恥ずかしい!」って言ってるのをテレビで見たときは、

 

「わかる~!めっちゃわかる~!!!」

 

とひとりで大騒ぎしました。

 

だけど、テレビや写真の富士山を見ても、「恥ずかしい」って気持ちにはならないんですよね。

本当に不思議です。

 

ところが。

先日。

ある写真に目が釘付けになりました。

やっと出会ったのです。

あの「恥ずかしい」という感覚を呼び起こしてくれる富士山の写真に。

 

これ。

 

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ねえねえ、みなさま。

この写真を見て、「恥ずかしい!」って気持ちになりません?・・・ならない?

 

なった人、手を挙げて~!!

 

ど、どうしよう、ひとりもいなかったら・・・。びくびく。

誰も共感してくれなかったら寂しいので、みなさま、よ~くご覧になってくださいね!

 

ちなみに上の写真は、MAKOTOさんのブログからお借りしました。

MAKOTOさん、掲載を許可してくださってありがとうございました。

 

mfotos.hatenadiary.com

 

南米パラグアイに在住、いつも「すっごい」写真を見せてくださるMAKOTOさん。

残念ながら、富士山を見て「恥ずかしい」とは思わないとのことでしたが、MAKOTOさんの写真は、私に、初めて富士山を見たときの感情を呼び覚ましてくれました。

それって、MAKOTOさんの写真が、実物の富士山が持つ「何か」を、確かに、十二分に写し取っているということだと思うのです。

MAKOTOさんのブログを見ていると、写真の持つ「威力」というものを、しみじみと感じずにはいられません。

 

ところで。

 

「富士山を見ると恥ずかしい。」

 

これって、一体どういう心境なのか…。

 

もしも解説していただける方がいたら、めっちゃ喜びます!

 

 

と、ここでこのエントリーを終わったとしたら。

 

みなさまきっと思うと思うのです。

 

「マミーさん、いつもコメント欲しがるくせに、こんなわけのわからない記事出して・・・なんてコメントしたらいいかわかんないだろー、迷惑なんだよっ!」

 

って。

 

なので、久しぶりにマミー姫に登場してもらうことにしました。

 

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じゃん。

 

大きくなってるでしょー?

元気でしょ?(←かなりうれしい。)

 

最近、ちょっと鉢植えからはみ出しつつあるマミー姫。

植え替えてあげる時期なのでは・・・?と思いつつ、もしも余計なことをして、万一枯れてしまったらどうしよう、と悩む毎日。

 

サボテンの植え替えって、なにかコツがあるんでしょうか?

詳しい方、どうか教えてくださいね!

 

 

 

 

 

大阪からの小旅行に最適で最高の街

みなさま、こんばんは。

 

大阪から1泊の小旅行、今回で最終回です。

長々とお付き合いいただいてありがとうございました。

 

後楽園・岡山城、そして大原美術館と続いて、散策の続きは「倉敷美観地区」。

江戸の風情と異国情緒が入り混じった、とても美しい街でした。

 

ところが、ですね。

 

またまた写真がないのです・・・。

 

いや、ちゃんとね、前日の夜に古い写真を消去して、ストレージに空きを作っておいたんですよ?

でも、美観地区をお散歩中に、電話が入りまして…。

で、確認のメールやら電話やらをしていたので、スマホで写真を撮ることがほとんどできませんでした・・・。

今になって、美観地区の写真がほとんどないことに気づいて愕然。そして悄然としております。がっくり。

それでも、電話の隙をついて、ちょっとは写真を残そうとチャレンジしていたみたい。

 

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はたして私はなにを撮りたかったのだろうか・・・???

自分でも不明な感じ・・・。

あ!

意外と観光客が少ない!

これが京都だったら、まっすぐ歩けないほどの混みっぷりですから、これくらいの賑わいって、逆にポイント高いと思うんですよね。

 

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ちょっとした路地にも風情がありました。

その風情が感じられないとしたら、私の写真の腕が・・・以下略。

 

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この日、あちこちで、このタイプの鬼さんを見ました。

電話の合間を縫って、やっと撮れた奇跡の一枚。

 

外国人観光客にも鬼さんたちは大人気。一緒に写真を撮ろうとする人たちから引っ張りだこになっていました。

大阪でも観光客が多い地域では、和風コスプレを取り入れたらいいのになあ。

ゴミ収集車とかのスタッフが忍者のコスプレとか。

ウケると思うんだけどな…。

 

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この界隈は本当に美しくて、夕闇が迫るころにお散歩したら、きっとロマンティックだろうなあとうっとりしました。

デートなんかに最適なのではないかと思います。

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小さな舟で水路めぐり。

この日はとても暖かでしたから、櫂がたてる水の音も心地よかったことでしょう。

高校時代の修学旅行で柳川の水郷めぐりを経験したのですが、その日のことをちょっと思い出しました。(←12月だったので、めっちゃ寒かった!)

 

昼食もこの近くのお店でいただきました。

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この旅行で唯一、写真が撮れたお食事…。

すんごくおいしかったのですが、ホテルで食べた和朝食もおいしくていっぱい食べた結果、この時はまだお腹が減っていなくて半分くらいしか食べられなかった苦い思い出・・・今食べたい・・・とほほ。

残りは現在底なしの食欲を持つ娘がぺろりと平らげました。若いって素敵。

 

美観地区から少し外れると、広々とした空間があちこちに点在する岡山。

で、ちょっと考えたことがあるのです。

 

日本の首都、岡山に移転すればいいのに!って。(←唐突)

 

もともと、日本は東京一極集中が過ぎると思うんですよね…。

 

保育園の待機児童問題なんかも、みんなが東京に集中して住んでるから発生する問題で、だったら少しは人口を分散させる努力を政治家はするべきなんじゃないかしら。

人口1億を超す国で、その1割が東京圏に集中しているなんて、どう考えても異常です。

仮に東京圏内が日本で最も安全な地域ならともかく、残念ながら東京もまた、地震を始めとする自然災害から無縁ではいられない土地柄だし、雪にも弱い。

たとえば富士山。あれが噴いちゃったらどうなるんだろう…?

日本の大動脈、東海道は絶対不通になりますよね。

西からの物流が半減した東京の物資不足はどの程度の規模になるのでしょう?

 

将来的に、首都は移転が望ましいと思うのですが、この国で地震と無縁な土地を探すのは難しい・・・でも、津波から比較的安全な土地というのは存在すると思います。

岡山は瀬戸内海に面していますから、たとえ南海トラフが動いても、太平洋側に比べたら、その被害は小さいでしょう。

巨大な津波が襲うリスクは低いですし、なにより地震発生から津波の到達まで、時間に余裕があります。

 

東京が経済活動の中心地であり続けるにしても、政治中枢を他の土地を移すのは、今の時代、たいして問題ではないと思います。

だって、SNSもスカイプもありますものね。

直接会って、現金や商品券を授受するのが面倒になるだけでも、移転のメリットはあると思います。(←別に今話題の問題をディスってるわけではないのよ?!ほんとほんと。そもそも、首相が100万円を寄付したくなるような器でもないと思うんですよね、あの話題の人。知らんけど。←適当。)

 

どうしても首都の移転が難しいのであれば、せめて首都圏の大学は地方都市に分散させてほしいと強く思います。

ひとたび、東京を大災害が襲えば、有為の若い人材が多数失われます。

次世代を担う若者たちが、この国唯一の資源なのですから、それが一か所に集められているなんてリスクが高すぎます。

(厳しい受験戦争をやっと切り抜けたのだから、せめて大学の4年間くらいはきらびやかな東京で、遊びほうけたいって気持ちもすごーくわかりますけれどね…。でも倉敷なんてデートに最適だし!意外と若い人にも喜んでもらえるかも!?)

 

とにかく東京への一極集中は早急に改められるべきです。

もしも首都移転を公約に掲げる政治家が出てきたら、私は必ずそこに票を入れると思います。(注:まともな人だったらね・・・。)

 

瀬戸内の穏やかな気候に似て、岡山の人も文化も、どこかのんびりとやわらかく、人を魅了するものがありました。

政治家なんかこっちに押し付けるなよ・・・と言われてしまいそうですが、次世代の首都にぴったりの街であるような気がしました。

 

私の写真ではまったくその魅力が伝わりませんので、倉敷のご出身ryoさんのブログを再度ご紹介させてください(ryoさん、何度も勝手にごめんなさい)。

 


先日、ryoさんのこのエントリーを見て、「違う倉敷やん!」と思わず叫んでしまった私。

強調したいのは、ryoさんの写真の倉敷こそがほんとの倉敷だってこと。

 

そして私の頭の中の倉敷も、これくらい美しいのも本当なのです。(なぜか写真にするとおかしいだけで・・・。)

 

大阪からの小旅行に最適の街は、何度でも訪れたくなる魅力に満ちた、最高の街でした。

そして大阪からだけでなく、日本全国どこからでも、お出かけする価値のある街でもありました。

 

倉敷を薦めてくださった、高校時代の漢文の先生。

とても厳しい方でしたが、その先生から出された課題を、今ようやくやり遂げたような気持ちでいます。

 

 

 

 

 

 

大阪からの1泊小旅行 その2

岡山への小旅行。

 

後楽園、岡山城そして竹久夢二郷土博物館を後にして、普通のブログならここで、

「宿泊先のホテルの様子」とか、

「夕食のメニュー」なんかを紹介するんだと思うんです。

 

でも、それはできないの・・・。

なぜかと言うと、

 

スマホのストレージがいっぱいになったから」

 

写真撮れないじゃない!ストレージいっぱいだって!

と騒いでいると、

 

「だからPCに移しとけばよかったのに。」

 

と娘に言われ、

 

「どうやって?」

 

と旅先で聞く私・・・。相変わらず機械に弱いマミーです。とほほ。

仕方なく、夕食の後に、古い写真をスマホからせっせと消去するという、チマチマ単調な作業をする羽目になりました。

 

めんどくさかったです!(←どうでもいい報告)

 

ちなみにお食事、おいしかったです。写真はないけど。

ホテルに到着したのが少し遅かったせいでしょうか、大浴場も私たちで独占状態で、温泉も露天風呂もたっぷり楽しめました。写真はないけど。(←当たり前)

 

(でも岡山って、大阪以上に乾燥しているのですね・・・。

加湿器もお部屋に用意されていましたが、翌朝は喉がカラカラになって目が覚めました。

瀬戸内の気候は関西とはちょっと違う…夜は濡れタオルなどをお部屋に大量に!干しておくことを強くオススメします。)

 

 

で、岡山の2日目。

お出かけ先は、倉敷市大原美術館」。

先日のエントリーのコメント欄で、isakuさんに「次は大原美術館かなあ」と言われた時はびっくりしましたが、よくよく考えたら倉敷を訪ねて大原美術館を外す人はいないのかもしれませんね。

脱線しますが、isakuさんってほんとになんでもよくご存知ですよねえ…そしてどの街にも必ず思い出がある…神出鬼没にもほどがあります。

これってあれかな、「海の男には港、港に恋人がいる♡」ってやつでしょうか??

そこのところ、どうなんでしょう?isakuさーん?(←どさくさに紛れて野次馬根性を発揮)

 

ま、isakuさんにはそのうち、そのあたりをゆっくり記事にしていただくことにして、

大原美術館のお話しに戻ります。

 

天領だった江戸時代の風情を色濃く残した倉敷美観地区ですが、そこに唐突に現れるこの西洋風建築。

 

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でも不思議と街の景観としっくり馴染んでいて違和感がありません。

好きだなあ、この建物。

isakuさんが「中に入らず道端に腰かけてるのも好き」とおっしゃる気持ちがよくわかります。

 

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建物正面の窓枠の柵もこんなに凝ったデザイン。

錆の色にも味わいがあります。ryoさんのブログを思い出す感じ。ryoさんのような素敵な写真は撮れないけれども。

 

建物内部は撮影できないので、せめて正面の銅像だけでも。

 

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ロダン「洗礼者ヨハネ」・・・よかった、お盆の上の首じゃなくて・・・。

 

もうひとつロダン

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カレーの市民

中学生のころ、この銅像を美術の教科書で見ました。

以来、この英雄的なカレーの市民6人のことがずっと頭の中にありました。

市民を守るために、処刑覚悟で出頭した6人の市民。一体どんな気持ちで英国王エドワードの元へ引き出されていったのでしょう。

幸い、処刑は免れたようですが、彼らがその後どんな人生を送ったのか、興味は尽きません。

最近、移民や難民が殺到する街として有名になりましたが、私の中では「カレー」と言えば、真っ先にこの銅像のことが頭に浮かびます。

 

大原美術館には、エル・グレコの「受胎告知」など、有名な作品がたくさん収蔵されていて、どの作品も楽しめました。

東京でもない、一地方都市の美術館でこれほどの作品が集められているのは耳目に値すると思います。

また、モネ、クールベ、モジリアニ、ゴーギャンなど、日本人好みの作品があるのも人気の理由ではないかと思います。

 

けれども私が今回一番驚いたのは、

フレデリック・レオン「万有は死に帰す、されど神の愛は万有を蘇らしめん」

という作品。

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本館2階入口の頭上の壁に展示されているこの作品。(写真はネットからお借りしました。実物はもっと色が鮮やかな感じ。)

「すごい」としか言いようがない、圧巻の存在感です。

本館の横幅は、この作品に合わせて決定されたというくらいですから、大原美術館を代表する作品のひとつと言っても過言ではないと思います。

なにしろ25年もかけて描かれた本作品…25年ですよ!25年!

収集のためにフレデリック・レオンのアトリエ(ベルギー)を直接訪ねて行った児島虎次郎の熱意にほだされたのでしょうが、フレデリック・レオンはよくぞ手放したものだと思います。

私だったら絶対イヤだな…。同じヨーロッパにならともかく、極東の島国なんかに買われて行ったら、生涯二度と見られなくなっちゃうもの・・・。(児島虎次郎がこの作品を購入したのは大正12年。世界は今よりもっと広かったと思うのです。)

  

私にはキリスト教の素養がありませんから、作品のモチーフについてはなんとも言えませんが、神によって復活する人々の姿よりは、神の怒りによって業火に焼かれ、岩に打ち付けられる人々の累々たる死体、またその惨状を見ていられないと言わんばかりに、顔を手で覆われる神の姿が印象的でした。

 

大原美術館にお出での際は、ぜひぜひこの作品に注目してみてください。

・・・とわざわざ言わなくても、誰もがこの作品にくぎ付けになることでしょう。

すごい作品を見ました。

 

税金を投入して建てられたわけではなく、一個人が情熱と私財を投じてこれだけの美術館を建てたなんて。

今とはもちろん時代が違うのでしょうけれども、やっぱり当時でも大変なことであったに違いありません。

創始者大原孫三郎氏には、心からの敬意を感じます。

 

長くなりました。もう少し続きます。

退屈だと思いますが、次回もお付き合いいただけるとうれしいです。

 

 

おまけ。

 

大原美術館の窓柵の錆を見てryoさんを思い出していたら、そのryoさんが倉敷のご出身と知りました。びっくり。

 


 

◇港どころか、すべての街に恋人がいるんじゃないかとちょっと勘ぐってしまうisakuさんの倉敷の思い出はどんなのかなー。

 


 

大原美術館の収蔵品の多くを買い付けた画家・児島虎次郎が、ベルギーの美術学校で学んでいたと知って、思わず連想したのはもちろんセネシオさまのこと。

 


旅先でなにを見てもなにを聞いても、お気に入りのブロガーさんのことを思い出すのに、スマホのカメラの管理もできず、しかもちゃんとしたカメラも持たずに旅行に行く私・・・。

自分もブログを書いてるという自覚が希薄すぎて反省中です。

 

 

 

 

大阪からの1泊小旅行で最適な街

みなさま、こんばんは。

 

2日ほど、家族で小旅行をしておりまして、「はてな」を留守にしておりました。

 

昨年体調を崩し、入院やら救急車やらで大騒ぎだった母。

それがこのところ、

「どこかに旅行に行きたいなあ」

と言えるほど、元気になってくれました。

ただ、無理をさせたり、病院すらないような田舎へ行くにはまだ不安がありましたので、あれこれ悩んだ結果、今回の旅行は1泊だけ、ごく近場で、ということになりました。

 

大阪から1泊の旅行。

どこがいいだろうと考えたときに、私の頭に真っ先に浮かんだのは「倉敷」でした。

というのも、高校時代、漢文の先生が、

 

「大阪から1泊の小旅行には倉敷が最適。移動距離、街の規模、観光資源、いずれもちょっと行って見てくるのに、こんなにいい街はない。」

 

っておっしゃったから。

 

先生のお言葉を聞いてから、ずっと岡山・倉敷に行ってみたいと思っていたのですが、 

今回やっとその機会を得ました。

母も倉敷には行ったことがないので、ちょうどよかった!

ということで、今回は岡山・倉敷の小旅行を辿ってみたいと思います。

 

1.特別名勝 岡山後楽園

 

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最初に訪れたのは、日本三名園のひとつ、岡山後楽園。

春が浅くて、まだ芝生の緑は楽しめませんでしたが、それでも広々とした景観は胸の開くようなすばらしさ。

広大な敷地には水路がめぐらされ、茶室や茶畑、小さな水田やさまざまな植物が配され、散策が楽しい庭園でした。(そう見えないとしたら、それは私の写真の腕がまずいからです…。とほほ。)

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鯉にエサをやっていたら、大きな塊をぽとりと落としてしまい、それをカラスにさらわれました・・・。ショック。

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盛りを過ぎた梅林では結婚式のおふたり。

こういう結婚式もいいですよねえ。ちょっと憧れます。

この日はコートもいらないほどの暖かい1日でしたので、結婚式にはぴったりの、いいお日和だったと思います。

通りすがりの者ですが、末永くお幸せに。

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盛りを過ぎたとはいえ、まだ美しく咲いている梅の花

 

「桜よりも梅の方が好きだなあ」という娘に、「古いタイプの日本人やねえ。」と返しながら、確かに枝ぶりの雅趣なんかは、桜よりも梅に軍配が上がるかしら、と思ったりしました。

 

 

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遠くに見える桜並木。

開花まで一週間といったところでしょうか…。

ふくらんだ蕾が、冬の枯れた木の色とは違った趣を産み出しています。

 

「小麦粉をまぶしたみたい」

「きな粉じゃない?」

はったい粉の方がそれっぽい」

 

と母とふたりで話していたら、

 

「ペンギンやゴマフアザラシの赤ちゃんの毛が生え変わる時みたい」

 

という娘の意見に、思わず「ああ~!」と声が出ました。

もうすぐあたりは一斉に開く桜の雰囲気に圧倒されるのでしょう。

けれども、このほわほわとして「うちけぶるような」春の色も、いかにも日本の春に似つかわしい感じがします。

 

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鶴舎。

間近で見ると、鶴ってこんなに優雅で美しい生き物だったんだと、あらためて驚きました。

(そう見えないのは、しつこいようですが、私の写真の拙さです。がっかり。)

 

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後楽園入口にあった銅像

なんとなく映画「ラ・ラ・ランド」を連想してちょっとおかしい・・・。

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これ。

ちょっと似てません?

まだ見てないんですよね…。(←どうでもいい情報。)

 

2.岡山城

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意外なことに岡山城って新しいのですね。

明治時代に大半が打ち壊され、さらに空襲で天守も消失、現在の姿は昭和40年代に再建されたものなんだとか。

姫路城が今も美しい姿をとどめているのとは対照的で、つい「もったいないなあ」と思ってしまいます。

でも、

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平成5年の発掘調査で宇喜多氏が築城した当時の石垣が発掘されたそうで、大切に保存されていました。野面積みの工法を色濃く残している感じ。いかにも戦国時代っぽい。

 

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城内の風景。

石垣が迫る狭い坂道。タイムスリップしたみたいな風情があります。

お侍さんに出てきてほしい。(←ミーハー的願望)

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お城の中も公開されていましたが、母が、

 

「えー。靴脱がなあかんの~?いややー、脱ぎたくない~。」

 

というので、はいはい、わかったわかった、と天守閣に上がるのは断念。

天守閣から臨む風景を写真に撮ってUPしたら「様になった」 のになー、と今さら気づく私・・・恒常的にブログネタに困っていることは、頭の中から欠落している模様・・・。

 

3.夢二郷土美術館

 

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後楽園からすぐ、の場所にある竹久夢二の美術館。

岡山出身の夢二にちなんだちいさな郷土美術館です。

こじんまりとしたレンガ造りの洋館、中にはいかにも「郷土の」「手作り」感が満載の展示物、さほどの規模はありませんが、夢二のファンなら訪れて損はないかも。

 

個人的に、夢二の描く女性像はとても美しいとは思いますが、それでもお家に飾ってみたいとはあんまり・・・。

ただ、彼のデザインした数多くの本や雑貨のデザイン性の高さは、今でもちっとも古びていなくて、私の大好きなもののひとつ。

当美術館では、夢二のデザインした帯や半襟の画も見学可能です。しみじみ欲しいなあと思ってしまいました。

着物?着ませんけどね・・・。

 

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レンガの壁にまあるい窓。

夢二のイメージにぴったりな建物でした。

 

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「夢二の猫」

館内には夢二の画に登場する猫の意匠がところどころ用いられていました。

お土産用のクリアファイルや絵葉書などにも。

かわいいので、この黒い猫のぬいぐるみなんかがあったらいいのになあ・・・。

なんで作って売り出さないのかしら? 

 

観光客の目線からすると、岡山後楽園付近は、観光資源がコンパクトにまとまっていて、見学がとてもしやすい街でした。

ひとつの観光スポットから次のスポットまで、やたらと移動しなくてはいけないということがなく、時間のロスや疲れを感じさせません。

高い建物も少なくて見晴らしがよく、遠くの山まで視界がいいのも素敵なところ。

 

初めて訪れた岡山。

とっても気に入りました。

 

この回、もう少し続きます。

 

 

おまけ。

先日、「マリメッコ」のバッグが大好きですが、高すぎて買えません~。のお話しをしました。

 

 

mamichansan.hatenablog.com

先日、欠かさずに読んでくれている友人から、突然、荷物が届きました。

 

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マリメッコグッズがたくさん。

開封した瞬間、

「ああ、あの記事を読んでくれたんだ、それで!」

と納得して、爆発的にこみ上げる笑いを抑えることができませんでした。

 

なんだかうまく言えないうれしさと申し訳なさのようなものが入り混じって、

でもまさか、パチモンと言われた「メリマッコ」のバッグをお礼に送るわけにもいきませんので、

とっておきの、お気に入りの布地を引っ張り出して作ってみました。

 

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作り終わってからつくづく、要するに私って「トートバッグ」が好きなんだなあとしみじみ。

かわいいワンコと暮らす友人が、このバッグを持ってお散歩に行ってくれていたらうれしいなあ…と妄想中です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マミーさん、キラキラネーム作りに加担させられそうになって消耗してるの巻。

みなさまこんばんは。

 

毎回唐突ですけれども、みなさま、「キラキラネーム」ってご存知?

ご存知ですよね、よく話題になりますもの。

 

ボランティアで小学校に出入りしておりますと、

最近ではもう、ほとんどのお子さんの名前が、ふりがな無しでは読めないことに気づきます。

使用される漢字もとっても難しくて、書くことはおろか、PCや携帯、スマホの変換機能を使っても、なかなか表示されなくて困惑することも。

 

たとえば飛鳥時代平安時代の日本。

 

本当の名前は秘すことが多く、また、「言霊信仰」の影響か、通称名にわざと読みにくい漢字、悪い意味を持つ漢字を使ったりすることもあったそうですから、

 

「読みにくい」

「書きにくい」

 

名前こそが、真に伝統的なんだ!と言われればそうかもしれません。

 

でも、今は飛鳥時代でも平安時代でもないからね・・・。

みんな衣冠束帯や十二単で暮らしてるわけじゃないでしょう?

 

名前もね、やっぱり日常生活に支障をきたさないようにした方が、便利なんじゃないかなあと思ったりします。

 

「陵」って漢字。電話で説明しようとすると難しくない?「みささぎ」って言って、「陵」とすんなり書ける人、一体どれくらいいるんだろう?分割して説明しようとしても、

「”こざとへん”に、旁は”土”の下に、ええっと・・・。」

ってなりません?

 

それから、音読み、訓読み入り混じった名前、読みにくいですよ…。

 

あとね、「愛」の読みは「あい」であって、「あ」だけではPCでも変換しにくいです…。

 

やたらと画数が多い漢字を使うのも、当の子どもたちには負担じゃないでしょうか?

学校生活では、始終名前を書かされますし、なによりテストの度、他のお子さんたちがさっさと問題にとりかかってるのに、自分の子どもだけ、

「まだ名前を書いてます!」

なんて、ちょっと心配になりませんか?

 

・・・とまあ、いわゆるキラキラネームを見るたびに、余計なことばかり考えてしまい、我ながら老婆心だなあ、と反省したりします。(←思うだけで、口には出しませんよ?どんな名前でも親御さんの愛情がこもってるんですから。)

 

で、昨日。

聞かれたのです。妊娠中の友人から。

 

「マミー!”なおこ”って名前、どう?」

 

って。

 

なおこ。直子。尚子。奈緒子。菜穂子。奈保子。

 

いい名前ですね。

私の友人にもたくさんいます。なおこさん。

「なお」、「なおちゃん」

愛称もやわらかくていい感じ。

 

通常なら言います。「いい名前ね!」って。

 

でも、今回ばかりは素直に「いい名前」って言えません。

なぜなら、彼女はフランス人だから。

 

以前、お話ししたコスプレ好きのマイク。

  

mamichansan.hatenablog.com

 

彼ね。

今秋、とうとうパパになることに!

 

「責任の重さにちょっとビビってる。」

 

なんてセリフも、浮かれっぷりをごまかすための照れ隠しにしか聞こえません。

 

で、大の日本好きの彼のパートナー、アマンディーヌも日本が大好き。

現在、つわりと闘いつつ、名前を考えているそうで、

で、昨日の質問になったわけ。

 

「”なおこ”ってどう?」

 

・・・どうって言われましても。

正直に言っていいなら、

 

 

ミカエルとアマンディーヌの間にできた赤ちゃんの名前が、なんで「なおこ」やねん!

 

 

としか思えないのですが、いいんだろうか?それは・・・。

 

なので言いました。

 

「フランスの伝統的な名前が一番じゃない?」

 

って。

 

そうしたら、

 

「オリジナルの、特別な名前がいいのっ!」

 

 

・・・思いました。

 

「あかん」・・・って。

 

完全に変なスイッチが入っています。

お子さんをお持ちの女性には記憶があると思うんですけど、産前産後って、ホルモンのバランスが変わるので、ちょっと妙なテンションになるんですよね。

きっと彼女もそんな時期なんでしょう。

こういう時に、下手に刺激すると、より意固地になってしまうことが多いので、私も言葉に気をつけないと・・・と思うと、英語のできない私はますます言葉に詰まります。(当たり前ですがフランス語もできません。)

 

アマ「”ひなた”は?いい名前?」

 

ひなた・・・いい名前ですよね。穏やかであたたかなイメージ。おひさまの当たる庭先の、土の香りまで感じられそうな…。

でも、フランス人に「ひなた」って。

だいたい、あなたたち、「ひ」の発音、苦手やん・・・。かなりの高確率で「いなた」になってしまうはず、「いなた」なんて、日本でも通じないから!謎言語だからね!

ということで、「ひなた」に「おひさま」のイメージがあることは内緒にしておきます。(フランス人はもれなくおひさまが好き。「ひなた」は却下させないと!)

 

それからも、日本ではありふれた名前を列挙する彼女。

どう考えても、それが「穏当」だとは思えない私。

 

まさか「なおこ」や「あいこ」や「ともこ」がキラキラネームに感じられる日が来るなんて想像もしていませんでした。

 

どういうわけか、私のことを「my sister」と呼んでくれるアマ。

だから、彼女の赤ちゃんにとって、私は「tata」になるんだそうです。

「tata」って、なんだろーと思って調べたら、「伯母(叔母)さん」の意味なんだとか。

 

そんなことを聞いてしまっては、彼らの赤ちゃんがもう、本当に特別で、今からかわいくって仕方がありません。

なのに、私の脳裏によぎるのは、彼らの赤ちゃんが大きくなってから、

 

「どうして私だけこんな変な名前なのー?普通の名前がよかったのに!

これもみんなマミーtataのせいよっ!マミーtataなんてだいっきらい!うわーん!」

 

なんて言われてしまう悲惨な未来予想図ばかり。

 

マイクに、「なんとかしろー!」と説教しようかとも思うのですが、

 

頼りにならないんですよね、これがまた・・・。

とほほ。

 

ま、秋までまだまだ時間はあります。

日本でもありそうな、それでいてフランスでも違和感のなさそうな名前を探して、なんとか軟着陸を目指します。

すでに考えすぎて、頭がぐるぐる。

お疲れモード全開ですので、もしもいい名前があったらコメント欄でお知らせくださると、喜びます・・・。男の子の名前もね!

特にセネシオさま、頼りにしております。た、助けて・・・。

 

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はりきって、ベビードレスを編み始めております。

きっとtataからの贈り物を喜んでくれるだろうと思います。

 

なんだかんだ言って、元気に生まれてきてくれたら、とそれが一番の願いです。

どうかこの祈りが通じますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の人生に影響を与えたかもしれない漫画3選。

今回は私にとって、心に残る思い出の漫画のお話しを。

 

漫画にそんなに詳しいわけではないのですが、きっと誰にでも、思い出の漫画ってのがあると思うのです。

そんな漫画のいくつかを、今日はみなさまとお話ししたいなーと思います。

いきなり言い訳から入りますが、今回ご紹介するのはあくまで「私の」人生に影響があった漫画であって、名作かどうかはわかりません・・・。

 

ではさっそく。

まずは私が人生で初めて、古本屋さんで購入した本。

 

1.ベルサイユのばら池田理代子

 

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言わずと知れた少女漫画の金字塔。

ストーリーについて説明する必要もないくらい有名な漫画ですが、私は世間のベルばらブームがほぼ沈静化してから古本屋さんでこの本に出会いました。

ファン仲間なんていませんでしたが、長らく「アンドレ」が理想の男性になったくらい、どっぷりとはまってしまい、未だに「ベルばら」と聞くと「ピコーン!」と反応してしまいます。

 

華麗なフランス宮廷のエピソードや悲恋、ダイナミックな歴史とそれにまつわる史話、「ベルばら」にはたくさんの魅力が詰まっていますが、私にとって、この漫画が未だに印象的なのは、「ベルばら」が私の「本」に対する認識を決定づける基軸になったからだと思います。

 

「ベルばら」は、革命のために命を捧げたオスカルを主人公にしているために、基本的にはフランス革命を賛美している傾向があります。

ロベスピエールサン・ジュストなど、フランス革命に寄与した人々のことも、非常に好意的に描かれています。

私も子どもでしたから、すっかり影響されて、ロベスピエールのことなんかも、単純に「いい人」なんだと思い込んでいた節があります。

 

けれども後年、フランス革命を題材にした本をあれこれと読むようになって気づき始めます。

 

「い、意外とロベスピエール、残酷かも。」

「いくらなんでも血生臭すぎる。」

「革命後の方が税金上がっちゃったんだね・・・。」

 

特に、

 

「国王を処刑してやった!これからは共和制だぜ!」

 

からの・・・

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ドン!

 

「皇帝を出現させました!」

 

の唐突さ。

当時のフランス人も、「え?」って思わなかったのかなあってちょっと気になります。

 

フランス革命も、単純に成功したとはとても言えない、人間のやることだからいろいろな齟齬もあった、失敗もあった、目を覆いたくなるほどの惨劇や野蛮な行為もあった、むしろ、人類初の「人権宣言」なくしては、擁護できないくらいのひどい蛮行だったのかもしれない。

なんて意見にも傾聴すべきものがあるという気がしました。

 

「ベルばら」が私にとって特別なのは、

 

「本によって、書かれていることが全然違う。」

 

ということを、私に最初に気づかせてくれた一冊だからです。

それは、「本」というものが万能ではないということを、私がつくづく実感した瞬間でもありました。

読書好きな方なら誰でもきっと、それを痛感する日があるのでしょう。

 

ちなみに、私の娘は「太閤記」を読んで豊臣秀吉大好き!になったのですが(←立派な大阪人)、そのあとに出会った本、

 

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戦国のヒロイン 江 (万乗大智:著 小学館まんがシリーズ)

 

を読んで、「秀吉にもイヤなところがあったんだ」とぽつりとつぶやきました。

私にとってのベルばらが、娘にとっての「太閤記」なんだなあと思ったのも印象的な思い出です。

 

 

2.グラン・ローヴァ物語紫堂恭子

 

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人間の力が強大になりすぎ、他の生き物や妖精たちを追いやってしまう世界。

「果たして人間は、他の生物との共生が可能なのか」という重いテーマを、繊細な絵と軽やかなユーモアを交えてファンタジー色豊かに語った作品。

科学の発展が時に、人とその他の生物を危機にさらしている現状を見るたびに、私はこの漫画を思い出さずにはいられません。

ヒトの力を封じ込めようとして自らを「閉ざした」サイアム。

そのサイアムに、蛇の化身「イリューシア」は、

「どうして希望を持ってはいけないの?」

と語りかけます。

人間に追いやられていく自らの運命を知りながら、それでもヒトを許し、ヒトの善性に希望を持ち続けるイリューシアの言葉に、サイアムは思います。

「彼らは許してしまう。許してくれるから、傷つけてはいけないのだ」と。

物語の最後にサイアムが導き出した結論と選択。

それもまた、彼の人間への希望と信頼に基づくものでした。

この作品に出会ってから、私もできるだけ考えるようにしています。

「どうして希望を持ってはいけないの?」と。

 

3.22XX (清水玲子) 

 

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これは本当にすごい作品。必読です。

「食べること」を必要としないのに、空腹を感じるように設定されているロボット、ジャック。そして「食べること」を神聖な儀式として人肉を食するフォトリス人のルビィ。

その二人が織りなす恋と悲劇。

極限の空腹に耐えかねているジャックに、ルビィは自らの腕を切り落として彼に食べるように促すのですが、ジャックはどうしても食べることができませんでした。

ルビィの死後、自らの設定を変更して、二度と空腹を感じないようにしたジャックですが、「どうしても食べたいもの」として、彼女の腕だけを思い続けます。

ラストシーン、

「どうして食べてやらなかったのだろう」

というジャックの慟哭は、あまりにも悲痛すぎて、胸えぐられるものがあります。

色々な生き物を食材として消費しておきながら、食物連鎖から唯一外れて「食べられることのない」人間の、それでも同じ地球上に存在している身として、一度は読んでおくべき1冊という気がします。

 

ところで私は大概いいかげんな人間で、育児に関しても失敗ばかり、やり直したいことの連続ですが、ただひとつ、こだわり抜いたのは、娘に「偏食させない」ことでした。

我ながら、ありとあらゆる努力をしたと思っています。幸い、努力の甲斐あってか、それとも娘の元来の性格のおかげか、好き嫌いなく、なんでも食べる子に育ってくれました。

あの努力を重ねる原動力に、この漫画が寄与したところは大きかったと思います。

 

以上、3冊、私に強い影響を与えた漫画の紹介でした。

小説やドキュメンタリーも私にたくさんの影響を与えてきたと思うのですが、漫画というものの存在も決して無視できません。

日本の漫画のレベルの高さに、あらためて刮目する思いです。

 

おまけ。

もちろん、上記3作以外にも影響をうけまくりです。

例えば。

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「いらかの波」(河あきら

この漫画を読んでからというもの、「生徒会長」という存在に、過大な期待を抱くようになってしまいました。どんなに真面目そうに見えても、絶対「みょうちくりん」なキャラクターに違いない!って。

「むかし、生徒会長やってました!」っていう人に会うと、どうやって笑わせてくれるのだろうかと、過剰にワクワクする癖が未だに抜けません。

 

 

それから、

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キャンディ・キャンディ水木杏子いがらしゆみこ

作中、新聞売りの少年が「号外」を配りながら、第一次世界大戦の開始を告げるシーンがあります。子どもだった私は、この漫画で初めて「号外」というものの存在を知りました。以来、「号外」と聞くと、「すわ、戦争か?!」と思ってしまいます。

もはやすりこみのレベルです・・・。

 

あと、

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はいからさんが通る大和和紀

なつかしい・・・。これも夢中になりました。

この漫画で、私は世の中には「かっこいい名前」ってものがあるんだって知った気がします。

例えば、

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このロン毛の編集長(男性です)。

当時はすんごく憧れましたが、彼のファーストネームが「冬星(とうせい)」。

”冬の星”ですよ、冬の星!

もちろん、自分の子どもにこんな珍妙な名前をつけようとは微塵も思いませんが、当時はものすごくステキに思えました。

あと、ヒロインの婚約者、

 

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伊集院忍。

「伊集院」・・・世の中にはこんなかっこいい苗字が!とうっとりしたものでした。

以来、「伊集院」っていう苗字はずっと憧れだったので、この人がテレビに出始めたときのショックと言ったら!

もちろん、

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そ、彼ね。

 

思わず画面に向かって、

 

「あ゛?」

 

って叫びました。(今では伊集院光さんの、誰に対しても分け隔てない礼儀正しい姿のファンではあります。)

 

 

3選って言ったのに、ちっとも3選じゃなかった・・・とほほ。

それだけ魅力的な漫画がいっぱいなんだということで、どうかお許しください。

 

 

おまけのおまけ。

 

先日のエントリーで、手作りのバッグにたくさんお褒めの言葉をいただいて、本当にありがとうございました。

調子づいて、もう一つ作ってしまいました♪

 

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リネンのチューリップバッグ。

意外とたくさん入るので、便利に使えそうです。

(できあがった時、夫に見せたら「うん。」とだけ言いました。たぶん、下手に何かを言って、またブログに書かれたらたまらない、と思ったのでしょう。

でも、今回の記事の下書きを見て、

「どの漫画も古いねん!今の若い人、だーれも知らんで!わからへんで!歳バレバレやな!」

って叫んでました。自分も同じ年のくせに。むむっ。

気をつけているようで、今日も夫は元気に地雷を踏み続けています。)