超能力って信じます?

近所の小学校で絵本の読み聞かせボランティアをしています。

別に、

「子どもたちの学力向上」とか、

「子どもたちを読書好きに」とか、

そういう高邁な目標があるわけではなく、
続けているのは、ただ単に

「一度断り切れなくて引き受けたら、脱退の方法がない謎の組織だったから。」

道路に偽装された底なし沼だったわけです。
うっかり者と、はっきりノーと言えない人間を狙った仕様になっているものと思われます。


でも、月にほんの2,3度のことですし、時間も短め、
都合が悪ければ、事前連絡すれば欠席可、
とにかく、ゆるゆるボランティアなので、なんとかやっています。


で、朝、絵本を持って小学校へ。

そこにいるのは小学生。(当たり前)
しかもここはあの、「大阪」。
目の前にいるのは「大阪の小学生」。


カオスです。
うるさいです。
ええ、そらもう、とんでもなくうるさいのです。

でも平気。

動じず、騒がず、とりたてて注意もせずに

「読みますよ-!」
で、いきなり読み始めます。

1ページ目、教室「わいわいわい、がやがやがや。」

2ページ目、教室「しーーーーーーーーーーーん。」


これ、本当に不思議です。
テレビやゲーム、スマートフォン...。
刺激的な媒体に囲まれて育っているはずの今の子どもたちが、こんなに絵本に夢中になるのはなぜでしょう。
水の底のように静かになった教室で、集中のあまり、子どもたちの口がポカーンと開く頃には、私自身も絵本の世界にすっぽりと収まっています。


が、しかし。

子どもが相手となると、毎回そういう穏やかな起承転結とは行かないわけでして。

先日。

男子A、ならびに男子Bが、読み聞かせの間、ちょろちょろ騒ぐわけです。
男子ですからね。よくある事です。

ところがそこに女子C、しっかり者のキャラなんでしょう、いきなりすごい大声で、

「ちょっとあんたらうるっさいねん!!
静かにしいや!聞こえへんやろ!」

(標準語訳;ちょっとあなた達うるさいわよ。静かにしてくれない?聞こえないでしょ。)


絵本を読みながら、びっくりして文字通り30センチくらい飛び上がる私。

「こわっ!」

と思いつつ教室を見渡すと、

何事もなかったかのような子どもたち。
しらんぷりの男子AとB。


幻聴か?


幻聴なら仕方ない、続けなければ!と思うのですが、
そこからは私の方がおっかなびっくり、いつまた怒られるのやらと気になって、
男子AとBばかりに目が行きます。

「Aくん、消しゴムのカスを投げるのはやめなさい!」
「前を向いて!」
「Bくん、仕返しはしなくていいから!」

絵本を読みながら私は全身全霊で彼らに念話を送り続けます。

「やめなさい、また怒られるよ!」
「まじやめて、お姉さん(ウソですごめんなさい)おばちゃん、Cちゃんまじ怖いから!」

必死の念話も彼らには届かず、
もう何を読んでいるのかわからないほどビクビク、ハラハラ、
やっとの思いで終わらせます。

いつもなら、もう1冊くらい読んでいくのですが、
今日はもう無理、精神の胃に穴が開いてるわー、と
とっとと退散することにします。

「今日もがんばってね。またねー。」
すっかり逃亡モードに入ったとたん、最前列に座っていた男子D、

「もう1冊あるやん、読んでぇや!」(標準語訳;略)


悪魔か?君は。かわいい顔して。


私はもう一度念話を送ります。「忘れなさい!!」

男子D、並びにその他大勢「読んでー!読んでぇや!!」


断言します。
この世に「念話」や「念力」は存在しません。
少なくとも、うちの近所の小学校には。


子どもたちの写真はアップできないので、代わりにお気に入りの絵本の写真を。
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「ぐるんぱのようちえん」
最後に自分の居場所を見つけた「ぐるんぱ」。読み終わるといつも「よかったね」、と彼にささやきます。

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大好きだったので作ってしまいました。
あみぐるみじゃないけど。ほほ。

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「ぐるんぱ」の作り方、型紙が掲載されている手芸本。
参考までに。

あ、それと、こんな記事の後でなんですが、
ただいま、どこの小学校でも読み聞かせボランティアを募集しています。たぶん。
読んでくれる人が少なくて、お困りの地域もたくさん。
興味のある方は、ご近所の小学校へGO!

(うちの校区で)人数が増えたら私も脱退しやすくなるので是非!

楽しいときもありますよ!たぶんね!