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ご利用は計画的に。

 

子どもの頃、

 

「家は借りて住め、本は買って読め」

 

って何かで読んだことがあります。

 

 

なるほどなあ、と思うと同時に

 

それを真摯に守るには、

 

この国には地震が多すぎる、と感じることもあります。

 

 

経済的にも、欲しい本を全て購入していては、

 

生活そのものが成り立たなくなります。

 

 

 

貧乏って切ない・・・。くっすん。

 

 

 

で、次善の策として、

 

よく図書館を利用しています。

 

 

自宅近くの図書館は規模が小さく、

 

長居をして楽しいところではありませんが、

 

ネットを使えば、

 

大阪市図書館、その分館である各区立図書館から

 

資料を取り寄せてもらえるので、

大阪市在住もしくは大阪市で就労している場合)

 

読みたい本が手に入らないということはまずありません。

 

けれども、調子に乗って予約をたくさん入れていると、

 

思わぬ事態を招くことにもなるわけでして。

 

 

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先日、最寄りの図書館で受け取った本の「かたまり」。

 

貸し出し期間は15日。

 

 

年末年始など、仕事のない時期なら余裕だったと思いますが、

 

さすがにこれはちょっと多いかも・・・。

 

 

おまけに今回はインフルエンザの高熱にも邪魔されました。

 

 

でも今回の本の「かたまり」、

 

なかなか興味深く、おもしろい

 

ラインナップになりました。

 

 

 この1週間、高熱のために天井ばかり眺めていて

 

ネタに困っていますので、

 

今日はこのかたまりの一部をご紹介いたします。

 

 

 

 「密会」 ウィリアム・トレヴァー著 新潮社 

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アイルランド出身ウィリアム・トレヴァーによる12の短編集。

彼の作品は初めて読みましたが、

乾いた筆致、甘くない読後感、

どの作品も「名品」の味わいがあります。

 

ある作家が、

「長編を書くための練習として、短編を書くのも悪くない」

って書いていたことがありますが、

私はそれにまったく同意できません。

 

上質の短編はまるで詩のように、

それ自体が芸術であって、

長編作品に準ずるものではないはずです。

本作はそれを実感させてくれる久々の「極上の」短編集。

 

唯一の不満は「装丁」。

 

なんでこんなハーレクインロマンスみたいな装丁にしちゃったかな・・・。

 

納得できない、まったくもって納得致しかねます。

 

文庫化に期待かな・・・。

 

 

 

「卵をめぐる祖父の戦争」デイヴィッド・ベニオフ著 早川書房

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ナチスドイツ包囲下のレニングラード

人類史上屈指の凄惨な軍事戦「スターニングラード包囲戦」を舞台に、

レフとコーリャの友情と冒険を描く。

 

かなりの話題書になっていたので「今さら感」が満載ですが・・・

 

力作だと思います。

あの地獄の「レニングラード」を、

こんな風にハリウッド的冒険譚に仕立て上げることができたのは、

やはり作者の力量の賜と言えると思います。

 

語り手である「レフ」の視点で物語を追いつつ、

読者は徐々に、彼の相棒の「コーリャ」の複雑怪奇な魅力に囚われて行き、

特に終盤、

「中庭の猟犬」という作中作の秘話が明かされるあたり・・・

 

その頃には、誰もが

コーリャに対して、

すっかり恋に落ちていることでしょう。

 

人間の尊厳が、

1ダースの卵ほどの価値すら無かった時代。

 

それでも「生きよう」とする人々の強かさに

胸打たれる作品です。

オススメ。

 

 

 

 

「宇宙創成」サイモン・シン著 新潮社

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宇宙はいつ、どのようにして始まったのか。

現在最も解答に近いと言われている「ビッグバン」モデル。

しかしその「ビッグバンモデル」の歴史には、

科学者たちの 長く熾烈な闘いがあった・・・。

 

 

フェルマーの最終定理

「暗号解読」

などでお馴染みサイモン・シン氏。

本当に大好きです。

 

この「宇宙創成」も、非常に楽しく読めました。

数学や物理の素養がなくても(私にもないです!)

純粋な物語として、楽しい1冊。

 

 

この宇宙に溢れている数限りない奇跡と謎。

 

気が遠くなるような距離と広大な空間に、

それでも「投げ出さない」科学者の死闘ぶりには、

感動の言葉しかありません。

 

あらゆる神々の中で、

「知の女神」こそが、

最も人類を魅了してきたのではないかと思える読後感。

 

 

そして読み終わってすぐに飛び込んできた、

 

 

重力波観測」

 

のニュース。

 

 

「ほらね!!!」

 

って得意そうにウィンクするアインシュタインの笑顔が脳裏に浮かんで、

しばらく幸福な気分でした。

 

 

広大な宇宙からの、

ほんのささやかなメッセージを受け取るために、

人間はとてつもない労力とエネルギーをかけています。

その努力を見る度に、

「知りたい」という人間の、根幹的欲求を思います。

 

「知の女神」の前に跪く人類の

その姿勢の美しさは、

一篇の物語となって、

いつも胸を打たれずにはいられません。

 

 

 

 

 

図書館で本の予約をするときには、

 

いつ、どの本が、どのタイミングで手元にやってくるのか、

 

はっきりとはわかりません。

 

なので、どの本とも、

 

偶然のような、必然のような、

 

そんな出会いをしています。

 

 

 

それが楽しみでもあるのですが、

 

図書館で本を借りると、

 

当たり前ですが、

 

返却しに行かなくてはなりません。

 

そしたら、また新たに本を借りることに・・・。

 

で、また返しに行って、借りて、の無限ループ。

 

 

時々、

 

図書館って麻薬に似てるな」

 

って思うことも。

 

一度手を出したらやめられないっていうね。

 

 

近々、この本のかたまりも返却しにいかなくてはなりません。

 

 

くれぐれも、

 

図書館のご利用は計画的に、と強調したいと思います。ふふ。