大きいとか小さいとか、誰が決めてるんでしょう?

先日、朝のニュースを見ていて、すっごく気になったことがあるのです。

 

ニュースとは

「モロッコで販売を禁止されている魚(禁漁だったかも)を売っていた老人が、警官に魚をごみ収集車に廃棄され、それを取り返そうとした老人が、収集車の機械に粉砕されて亡くなったという事件を受けて、大規模な抗議デモが広がっている。アラブの春の再来か。」

というもの。

 

で、私が気になったのは、NHKがこのニュースを、

 

「小さなできごとが大規模なデモにつながっている。アラブの春を連想させる。」

 

と伝えたことです。

 

「小さなできごと」ってどういうことなんでしょうね?

 

ニュースでは、「魚を取り返そうとした魚売りの老人がごみ収集車に突っ込んでいったのを知ったうえで、警察官が収集車のスイッチを押すように促したのを見た目撃者がいる」というようなことも報じられていて、それは残酷だなあと思いながらニュースを聞いていたので、アナウンサーが「小さな事件」と言ったのが、どうにも聞き逃せない気持ちがしました。

 

例えばこれが日本国内で発生したとしたらどうでしょう。

 

警察官が、証拠物件を勝手にごみ収集車に遺棄、取り返そうとした容疑者を「殺害」した案件として大々的なニュースになりませんか?

万一、これがモロッコというイスラム教圏の国家で起こったことだから「ありがち」なこととして、「小さい」と表現したのなら、それはいささか差別的だと言わざるを得ませんし、人権とは国境、民族、性別の如何にかかわらず普遍的、という平素の主張とは隔たりがありすぎます。

 

また、仮に、イスラム教圏の国家であるなしとは関係ないというのなら、それはそれで問題です。

警察がもしも「行き過ぎた」警察権を行使したなら、それに誰よりも否定的で批判的であるべきなのは、報道する者として当然なはずです。

 

「どこかの路地で、警察によって不必要に殺害された一般人」

という疑惑を報道する場合、たとえ国が違ったとしても、そこは報道機関、口が裂けても「小さい事件」と表現してはいけないと思うのです。

 

私はとにかく「警察」と聞けば目の敵にするような主張とも一線を画したいと思います。

 

警察に就職した友人もいますし(正確には入庁?っていうんですかね?)、それに日本の警察はとても優秀で、人権意識も高いと考えています。

毎日、暑い日も寒い日も、雨が降っても雪が吹いても、街中で警戒中の警察官を見かけます。すれ違うたびに頭が下がります。

私たちが毎日安心して暮らせるのも、この国の治安がいいのも、日々、お金のためだけでなく働いていらっしゃる警察官の方々の尽力が大きいと思います。

 

けれども、警察という組織も人が作っているものです。

人が神でもない、「人が作ったもの」を無批判に信奉することは危険きわまりないことです。

 

まして警察は必要とあれば武装し、他者の人権を一時停止できる権力を有しています。

人も社会も、そんな警察が行き過ぎないか、まちがいがないかどうかを「正しく」疑い、「節度を持って」監視していくべきなのです。

そして、その最も先頭に立っているべきと人々が普段から期待しているのが、報道を託されるメディアなのではないでしょうか。

報道を使命とするメディアが、警察と同じ目線で物事を見たり、感じたりしているなど、本来あってはなりません。

 

最近、世の中の動きがきな臭いとか、変な方向に向かっているみたいで怖いとかいう人たちがいます。

その意見については私は、日本で普通選挙がある限り、世間一般の常識や見識というものを信じているとしか申し上げようもありません。

ただ、今回のモロッコでの事件を「小さい事件」と何回も(少なくとも2回は絶対)言い放ったNHKの姿勢に関しては、心の底から、空恐ろしいと感じずにはいられませんでした。

国家権力も、警察権力も市井の人々の人生をひねりつぶすには十分強大な力を持っています。

同じく第4の権力、メディアもそうです。

日本のメディアの考え方や、あり方が、どこかおかしな方向に走り出しているのではないかと、時々とってもコワくなります。

 

 

と、普段では考えられないような記事を書いてしまいました。

それくらいNHKのアナウンサーがこの事件を何度も「小さい事件」と言ったことが衝撃的でした。

私個人のちょっとした雑感です。どうかご放念ください。

 

ところでみなさま、今日、「真田丸」 をご覧になりました?(←毎回唐突ですみません。)

かっこよかったですよねえ…。

 

今年こそ!「大坂の陣」、勝てるんじゃないっ?

 

ってちょっと思ってしまいました。

その昔、田辺聖子氏が「大阪人には徳川家康は人気がない」って何かに書いていましたけれども、その遺伝子、確実に私にも受け継がれています。

基本的に、というか、内心ではこっそりと、

 

「あの狸おやじ、くたばっちまえ!」

 

と思っています。えへ。

 

ちなみに今年の大河、「真田丸」ではオープニングテーマが、超!かっこよくってお気に入りなんです。

こんなに大河のオープニングテーマで盛り上がったのは中井喜一主演、「武田信玄」(←なつかしい!毎週必死で見てました!どなたか見てた人、いらっしゃいます?)以来かも!

 

こんなの。


大河ドラマ 武田信玄 オープニング

 

これ、おもしろかったですよねえ…。

 

そういえば、大阪の陣での真田の赤備えは武田由来。

感動もひとしおです。

今年の大阪の陣こそは!(←しつこい)

 

 

ということで、やたらと忙しかった週末も意味不明に更けていきます。

みなさまの新しい1週間がすばらしいものになりますように。

おやすみなさい。