嫁姑間の会話に想定問答集があったら即買いします。
今は昔、と言いたくなりますが、
我が家の夫は結婚当時、食べ物の好き嫌いが多くてとっても苦労いたしました。
煮物、煮魚、酢の物、梅干し、お漬け物、こんにゃく、春雨、イカにタコ、しいたけそれから茄子に里芋、刺身にお寿司、野菜炒め、辛いもの、苦いもの・・・おまけに猫舌!
あまりに多くて何を作っていいのやら・・・嫌いなものは細かく刻んでカレー(←甘口ね)に入れたり、ベーコンで巻いて濃いめの味付けにしたり、あれこれ工夫したものでした。
そんなある日のこと、夫の親族の法事に出席しましたら、
夫の伯父や伯母が言うのです。
「この子(←夫のことね)、好き嫌いが多くて大変やろう。この子に合わせとったら食べるもんないからなあ。」
って。
私が「はあ・・・いえいえ」と適当に相づちをうっておりましたら、
夫の偏食がいかにひどいか、の話題でその場が盛り上がっていきました。
その時、私はまだ結婚したばかりで、伯父や伯母の顔や名前もうろ覚えでしたから(今も、という説もあり)、まだまだ半分他人のようなもの、なので、そんな話題も、「親族による謙遜」という印象で、黙って聞いていました。(っていうか、口は一切はさめないんですよ、だって大阪のおじさん、おばさん達のマシンガントークですからね・・・)
なので、その後、義母とふたりになったとき、
その話題に義母がカンカンに怒っていたのを知って、びっくり仰天しました。
「ちょっと好き嫌いが多いからって、あんなこと言わなくてもいいのに!
あの子のいいところは私にしかわからないんだから!」
って。
確かに夫が「からかわれていた」ような気もするのですが、
新婚ほやほやの男性なんて、からかわれるのがお約束だと思っていたし、親族のおじさんやおばさんなんて、基本「口さがない」ものではないですか?
ですから、義母がこんなにも怒っているのを、ちょっと意外に思いつつ、
すぐに私は「次になんて言うべきなのか」を考え始めました。
トロい私にしては必死で、最速で頭の中をフル動員して、この場で最適な「嫁としての」言葉を探したのです。
で、一番穏当なのは、
「私はわかってますよ、ちょっとくらい好き嫌いがあったとしても、そんなことくらいで夫さんのいいところは減らないですよね」
って感じかな、と思ったのですが、結局なーんにも、言えませんでした。
だって、お義母さん怒ってたし、
「(母親である)私にしかわからない!」って言ってるのに
私が「いや、わかってます」なんて返したら、
「あんたなんかに何がわかるのよっ!」
って余計に怒らせるんじゃないかと思って。
「息子のことは私が一番わかってる!」の自負を、私が打ち壊すべきではないのかなー、と気を使ったつもりなのですが、今でも正直、このとき私がなんて言うべきだったのか、最適で最高の返事はなんだったんだろうと、答えが出せずにいます。
(ちなみに、親戚のおじさん、おばさんたちが、夫のことをからかったり、笑ったりしていても、それに私が抵抗できるわけもないと思うんですよね・・・。
だって、私は夫と「血縁」があるわけじゃなし。
”ちょっと来たて”の嫁の立場で、親族の中の目上の人たちに反論できる気がしません。
たとえ義母が怒っているのを知っていたとしてもです。
何回考え直してみても、夫のおじさん、おばさん達に対してなにかを言い返すなんて、逆立ちしてもできそうにありません。)
思うに、「妻」の立場って、本当に不思議なものですよね。
だって、そもそも他人なのに、いきなり夫にとって一番「近しい」身内になるのですから。
夫にとって最も「近い身内」として、私はこれからも他人に向っては、夫について謙遜し続けていくのでしょう。
それは身内を自慢の種にはしない、という日本人らしい思考の発露であって、私がこの思考方法から簡単に抜け出せるとは思えません。
ただ、夫の母に対しては、私は夫の「もっとも近しい身内」の立場を、いつでも譲らなくてはならないのでしょう。
なので、義母が一緒の時には夫のことを褒めちぎっておきます。
いい夫でいい父親ですって。なんの不足も不満もありませんって。(←ちょっと嘘まじり。)
ほんの少しの悪口でさえ、義母の前では決して言わないようにしているのですが、
そんな私の「トップシークレット」は、もちろんこのブログです。
お正月が近づいてまいりました。
親族が集まる機会も一気に増えます。
「うっかり」がやたらと多い夫に、
なにがあっても!絶対に!口が裂けても!
このブログのことは言ってはいけない!と念を押しておかなくてはなりません。
義母と会う前には、いつも、必ず、義母の
「あの子のいいところは私にしかわからない」
の言葉を思い出します。
20年近くも前のことなのに、未だにあの時、「なんにも言えなかったこと」が悔やまれます。
たとえ、「あんたなんかにわからない」と言われたとしても、
たとえ義母をもっと怒らせることになったとしても、
やっぱり、私は「彼のいいところ、ちゃんとわかってますよ。」って言うべきでした。
そうすれば、最愛の息子をけなされて、ちょっと傷ついたように見える義母の横顔が、少しは和らいだのではないかと思うと、今でもそれが私の痛恨事なのです。
義母は絶対あの日のことを忘れていることでしょう。
それでも私は忘れていません。
20年近く、同じことをいじいじと思い煩って、それが私の一番いけないところなんだろうなあ、とわかっていても忘れられません。
ああ、年末年始って憂鬱!
また義母との会話で「今私はなんて言うべき?」の場面が出てきたらどうしましょう。
こんなとき、「嫁の立場なら、ここはこう言うべきです」なんてことが書いてある「想定問答集」があったらとっても便利なのに!
誰か出版してください!即座に注文しますから!
なーんてことを考えているのも現実逃避です。あーあ。
おまけ。
載せる写真がないので、今日のマミー姫。
ちょっとずつ、大きくなってます♡