絵本「どこいったん」を読みました。

 

3学期が始まりました。

お子さんがいらっしゃるご家庭では「ほっ」としたり、お弁当作りが再開したり・・・楽になることも、かえって面倒が増えることも多々あることと思います。

 

新学期のスタートとともに、私の日常においても「読み聞かせ」のボランティアが再開しました。

 

ところで、読み聞かせをするボランティアには、たいていの場合、「好きな絵本」というのがあるわけでして。

 

例えば私の場合。

 

「どこいったん」

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ジョン・クラッセン (著), 長谷川義史 (翻訳) クレヨンハウス

 

が特にお気に入り。

 

帽子を失くした「くまさん」が、自分の帽子を探し続けるお話しなのですが、

子どもたちのウケがよくて、毎回ノリノリ、でも、最後の「オチ」になると、必ず教室中が

 

「しーーーーーん。」

 

と静かになる、魔法のような1冊です。

 

でもこの絵本。

長谷川義史」氏の翻訳なので、全編がっつり大阪弁なのです。

なので、他府県出身のボランティアメンバーからはとっても不評。

 

「読めない。」

 

「読んでると子どもたちが、話の筋じゃないところでクスクス笑う。」

 

「絶対、イントネーションの違いで笑ってる!」

 

と、散々な言われよう。

 

確かに関西出身者でなければ、

 

「見てへんで」

「登ろ、思てね」

「もうええわ」

 

なんて、なかなか言う機会がないかもしれません。(←てか、絶対ないよね?)

 

 

先日はとうとう、

 

「マミーさん、読んでるところ録音させてよ!練習するからっ!」

 

って言われてしまいました。

 

大阪弁じゃない本を読めばいいのに・・・

そこまでして練習する必要はないんじゃないかな・・・

そもそも、なんで私が・・・

 

と必死で文句を言いましたが、いつものことながら押しに弱くて「ノー」と言いにくい性格。いつの間にやら、読んで録音することになっていました。

 

せっかくなので、今回はその読み聞かせを大公開。

大阪弁のやりとりが楽しい「どこいったん」、よければ聞いてみてください。

 

(この動画は「はてな」からのみ視聴可能です)

 

(念のため、お断りしておきますが、

今や「おおきに」という言葉、大阪でもほとんど死語に近いものがあります。

私も生まれてこの方、ありがとうの意で「おおきに」を使ったことは一度もありません。

今やお商売でのシーンや「吉本新喜劇」の中でのみ聞ける言葉だと思われます。)

 

聞いていただいておわかりかと思いますが、子どもたちを相手にした読み聞かせの場合、「上手に読む」必要はまったくありません。

声色を使ったり、登場人物で声を変えたりする工夫も、さして求められてはいません。

あまり上手に、真に迫った読み聞かせをすると、子どもたちは、

 

「この人、上手だなあ」

 

と読み手の方に注目してしまい、肝心の本については気持ちが入らなくなってしまいます。

なので、あまり力を入れすぎず、淡々と読む方がいいのではないかと思います(←自分の読み方が下手っぴなことへの言い訳もちょっと含む)。

 

主役はあくまでも「絵本」。

ちょっとくらい、読むのが下手でもなんの問題もないのです。

 

もしもご近所の小学校で読み聞かせのボランティアを募集していたら、ぜひ一度ご検討くださいね。

 

ところで、この「どこいったん」の絵本。

 

もちろん、学校だけでなく、ご家庭でも楽しめます。

この本を読んだ後、

 

「ママのアイス、どこいったん?」

 

「し、しらんよ?

なんでぼくに聞くん?

アイスなんかどこにもないで。

アイスなんかさわったこともないで。

ぼくに聞くのん、やめてえな。」

 

なーんて会話を楽しむまでが、この本の楽しみ方。

 

ぜひぜひオススメ。

 

お子さんと一緒に、あるいはご家族と楽しんでみてくださいね。

 

 

で、ふと思ったのですが。

考えてみたら、生まれ故郷以外で生活していて、

 

「あら、どちらのご出身ですか?」

 

と聞かれたら、たいていの人って、

 

「え、なまってますか?おかしいですか?」

 

って動揺なさるのに、大阪人だけは、どこに行っても堂々と大阪弁を押し通しますよねえ。

そんなところが全国でちょっぴり嫌われるんじゃないかしら。

 

なんてことを、「どこいったん」を読みながら、しみじみと思ってしまうマミーなのでした。

 

最後まで読んでくださったみなさま、

 

「おおきに」。