編み物の理由。
先日、倉敷を訪れたとき、お土産屋さんの店頭で、娘がかわいいヘアゴムを見つけました。
こんなの。
平素、「おしゃれ」には全く無縁の娘ですが、めずらしくこのヘアゴムを「ほしいなあ」と言い出しました。
どういう風の吹き回しやら。
なので、
「こんなヘアゴム、倉敷とは何の関係もないやん、どこででも売ってるでしょ。」
と言いたい気持ちをぐっとこらえ、めったにないことだもの、とひとつを買って帰りました。
そうしたら、そのヘアゴム、帰阪後いきなり「ぶち!」と切れました・・・。
せっかく娘がめずらしく、かわいいヘアゴムをつける気になったのに。
でもめげない。
がんばりました。
淡い緑のレース糸でシュシュを作って、ビーズをそちらに移しかえました。
下の黒いミミズみたいなのが切れちゃったゴムね。
ほっとくと、娘はこればかりつけて学校に行くので、ついでに他のも。
ひたすらフリルを寄せて編んでいくだけなので簡単なのですが、単調過ぎて、眠い作業です。
よく見ると、
ちょっと脳みそみたいな、
あるいは、「鯛の子のうま煮」みたいな・・・。
でも、二重にして髪につけると豪華で華やかなんですよ。ほんとほんと。
私がこういう単純な作業を延々とくり返し始めてしまうのは、
たいてい、なんらかの「不安」がある時と決まっていて・・・
今回はやはり、あまりにも急激に「きな臭く」なっている世界情勢が原因なのかもしれません。
シリアで小さな子どもたちが、サリンと思われる毒ガスの攻撃を受けているニュースは、あまりにも衝撃的でした。
アフガニスタンに投下された大規模爆風爆弾(MOAB)の映像にも気が塞ぎます。
もちろん最近の北朝鮮の動向にも。
人間なんて、ほんとに脆いものなのにな、と思います。
あまりにもあっけなく、唐突に奪われてしまう命なのに。
余計なことをする必要なんてひとつもない。
放っておけば、どのみち誰もかれもみんな、例外なく死んでしまうものなのに。
私たちにあらかじめ与えられた腕は2本しかありません。
そのたった2本の腕を、誰かを苦しめるためよりは、誰かをいたわり、支え、助けるために使えたら、と願うのは、今の世の中では、あまりにもきれい事過ぎるのでしょう。
せめて、誰の邪魔にもならないよう、編み物でもして、腕をふさいでいたいと思う毎日です。
鈴木重子 Shigeko Suzuki - Fragile (Sting Cover Song)