理想の姑像について、つらつらと考える。

急に暑さがぶり返した3連休となりました。

連休と言いいましても我が家では普段と変わらない毎日でした。

 

今日は自転車の前カゴに積んでいた、買ってきたばかりの玉ねぎを落とし、

前から歩いてきたおばさまに

 

「ええっ?玉ねぎ?そんなん落ちるん?」

 

と驚かれ、直後に風に帽子を飛ばされて慌てて追いかけ、小学生男子に思いっきり笑われたマミーです。こんばんは。

 

先日は「我が家の義母がちょっとおかしいんです!」

というお話しをさせていただきましたが、

 

mamichansan.hatenablog.com

 

今日もそんな義母のお話しをまた少し。

 

義母は今でこそ大阪から新幹線で3時間の距離に住んでおりますが、生まれも育ちも大阪市内、義母の親戚もほとんどが大阪市内に居住しておりますので、時おり帰阪して我が家に滞在することがあります。

そんなある日のこと。

夫が出勤し、私と義母とで、その帰りを待っていたのですが、

私が朝食の後で、夫のカッターシャツにアイロンをかけておりましたら・・・

 

義母「ああ、私もお父さん(←夫の父のことね)のシャツに毎日アイロンかけてたなあ。」

 

と懐かしそうに言うのです。

で、手で胸元を示しながら、

 

義母「ここだけ。ここだけあてるんよ、アイロン。」

 

と。

最初は義母が何を言ってるんだろう?とさっぱりわからなかったのですが、よくよく聞いてみましたら、義母は襟と前身頃の部分にだけアイロンをかけていたのだそうで、

 

義母「だって、他の部分は背広を着たら見えなくなるやん?」

 

だそうでして、要するに、義母のアイロンがけとは、

 

名刺を渡している人のイラスト(男性)

上のイラストの「白い部分」だけが対象だったということですね。(画像はいらすとやさんからお借りしました。)

 

私はこの時ほど、義母の顔をまじまじと見たことはありません。

 

その時の私の気持ち。

それをひとことで言いますと・・・

 

 

「誰に向かって言うてんの?」

 

 

に尽きます。(注:「極道の妻たち」風の味付けは不要です。)

 

だってね、だってね!

人間、誰だって、人と話をするときは、自分と相手との「関係性」や「立場の違い」を考えながら話すものではないですか?

この時、義母はいかにも「主婦どうし♡」なノリで、

 

「どれだけ自分の夫に対してぞんざいにふるまえるか、手を抜けるか」

 

なーんてつもりで話していたのかもしれませんけれど、

でも私、

 

「嫁ですよ!あなたの息子の!覚えてる?!」

 

と心の中で叫びました。

 

仮に私が、

「あー!それいいアイデア~!電気代も安くすみますしね~!私もこれからそうしようっと!」

って言ったとしたら、あなたの息子は明日から、袖も後ろ身頃もよれよれのくちゃくちゃなシャツを着ていく羽目になるねんで!?

 

と思って、しばらく馬鹿みたいにぼーっと義母の顔を見ていました。

 

で、その後。

 

手元のアイロンと夫のシャツを見下ろして、私、

「どうしよう。」

と思いました。

 

この場合、義母の言うことを聞いてその指南通りに襟と前身頃だけにアイロンをかけるべきなのか、それとも、やはり全体的にアイロンをかけた方がいいのか、しばらく悩んでしまいまして。

 

義母にとって、夫はかわいい息子のはず。その息子のシャツのアイロンがけを中途半端にしては、義母は絶対おもしろくないでしょう、けれども、義母の指南をまるっきり無視するのも、あんまり可愛げがない気がする・・・。

 

この場合の最適解はなに?

どうする、私、どうするの~?!

 

ぐるぐるぐるー・・・

 

ぐったり。

 

 

そもそもですよ?

姑というものは、たとえ自分がどんなに手抜き主婦であったとしても、自分の夫をどれだけいいかげんに扱った経験があったとしても、それを自分の息子に対してやられたら、腹ただしいものなんじゃないですか?

自分の夫にゴミ出しを頼んでいても、夜ごはんのおかずを手抜きしたとしても、それを息子の嫁にだけは気取られたくないものなんじゃないですか?

たとえ、自分はカッターシャツの前身頃にしかアイロンをあてなかったにしても、嫁に対しては「完璧にアイロンがけしてました!」って言うものなんじゃないんですか??

 

私もそういう「嫁姑間のお約束」的常識を汲んで、

「ああ言われたらこう言おう」

「こういうシチュエーションになったらこうしよう」

と想定しつつ、気を使って話しをしているというのに、

いきなりその想定から斜め上の、別次元に飛んでいくような会話が始まったら、

こちらとしては、

 

「は?」

 

という反応しかできないわけです。

で、「え?ええ・・・?ま、まあ・・・ええと、ごにょごにょ」としか返せないんですよ!

ゴルフ仲間だと思ってた人からゴルフ場に誘われてゴルフ場に行ったら、野球の試合をするよー!って言われるみたいなもんですよ?!(←たとえが下手)

 

でもね。

つらつらと考えたのです。

 

どれほど出来のいい嫁であったとしても、夫(義母にとっては息子)への「愛情」の多寡や深さを姑と競えば、必ず敗北するに決まっています。

母親の愛情に敵うものなど、滅多にないのですから。

おまけに主婦としての経験値も低く、家事能力もすぐに身につくはずもありません。

 

義母の、時にびっくりするような言動は、私をいつも挙動不審にしてしまいますが、

それでも、自分を飾らずに、どんな時も大らかで「ちょっとおかしい人」でいてくれるおかげで、私は必要以上に委縮せずにすんでいます。

また、完璧な主婦というものからは、少し遠い存在でいてくれるからこそ、私も少し肩の力が抜ける面もあります。

 

 

あの日から、夫のアイロンがけをしようと思って、アイロン台を出しますと、

私は必ず義母との会話を思い出して、

「ふふっ」

と笑うようになりました。

 

で、心の中で義母に

「大丈夫、あなたの息子はちゃんとアイロンのかかったシャツを着ていますよ。」

と話しかけます。

 

夫のための世話が、義母に敵うはずがないにしても、

どこかひとつくらいは「勝てる要素」を残しておいてくれる、そんな義母が、もしかしたら理想の姑なのではないだろうかと思ったりするのです。

 

ということで、完璧な家事能力がいつだって最善というわけではない!と宣言し、私もちょこっと手抜き家事を続けていこうと思います!

 

ええ、もちろん、「物は言いよう、手抜きも言いよう」ってことですね。ほほほ。