赤ちゃんを連れて歯医者さんに行こう

雨の日曜日になりました。

大阪でもやっと風が秋めいて、肌寒さを感じるようになりましたが、東北ではすでに紅葉が見られると聞いて、日本も広いなあとしみじみしているマミーです。こんばんは。

 

先日、友人のところに赤ちゃんが生まれて、私のPCには彼らの赤ちゃんの写真や動画が大量に送られてくるようになりました。

それらを見ると自然と、娘がちいさかった頃のことが思い出されます。

無我夢中で大変だった毎日。

でもその分、楽しく幸せな日々でした。

 

出産直後の友人にも、今赤ちゃんを育てているご家族にも、後から振り返った時に、

「ああ、幸せだったな」

と思えるような子育て期間を過ごしてほしいなあと心から思います。

 

ところで私の育児は、とても成功とは言い難く、自慢できることも語るべきことも持ち合わせてはいませんが、ふりかえってみて唯一「よかったなあ」と思えるのは、

 

「小さいうちから歯医者さんに連れて行ったこと」

 

です。

 

娘が5か月のころでした。

近所に娘よりも半年早く生まれた男の子がいて、そのお母さまと時々お話しすることがあったのですが、乳幼児検診でその男の子に虫歯が見つかったというのです。

「赤ちゃんに虫歯」って正直、想像しにくかったので驚きました。

 

でも、よくよく考えてみたら、授乳のたびに歯磨きなんてできないし(←完全母乳だったので、子どもは一日中おっぱいをくわえてる感じ、とてもいちいち歯磨きなんてしていられません)、夜中の授乳の時なんて、いつの間にやら母子そろって寝こけてるし、うちの子にも虫歯ができていてもおかしくない・・・と不安になって、歯医者さんに検査の予約を入れて、娘を連れていきました。

 

で、歯医者さんで。

 

私の膝の上に寝かせたまま、歯医者さんに口腔内をチェックしてもらったのですが・・・

 

泣きますよね。当然。

 

「うわあああああん!」(誰よ、あんた???)

「ぎょえええええん!」(触らんとってよ!!!)

「ぶええええええん!」(た~す~け~て~!!!)

 

まだ歯はちょっとしか生えてないので、チェックはすぐに終わりましたが、まあすごい泣き声で。

歯医者さんの壁にひびが入るかと思いました。

 

申し訳なさのあまり、

「(うるさくって)すみません、すみません。」

と繰り返す私に、歯医者さんは言いました。

 

「は?泣いてくれて助かりましたよ?」

 

それを聞いた私は、泣いてくれて助かるとはどういうことかしら、と不審に思いましたが、とにかく娘の泣きっぷりに動揺して、逃げるように退散しました。

 

で、後日。

歯医者をやっている友人に、

「”泣いた方が助かる”ってどういうこと?」

と聞きましたら、

 

友人「口を開けてくれるから。歯を食いしばられたら、開けてくれるように説得するだけで時間がかかって、他の患者さんを待たせることになる。だから思いっきり泣いてくれたら、内心ラッキー!と思う。」

 

のだそうで、ものすごく得心しました。

 

友人「赤ちゃんはまあ泣いてくれるからいい。たいした抵抗もできないし。

でも、もうちょい大きくなって、初受診でいきなり治療が始まると、歯医者=コワいもんだと思うから、次回からは大暴れ。力も強くなってるから、治療中の事故につながりかねないし、時間もすごくかかる。

中には子どもに「網」をかぶせる先生もいるけど、私はそれはしたくないし、笑気ガスもできたら使いたくない。仕方ないから、「お家で言い聞かせてください」と言って、いったん帰ってもらう。」

 

なるほど、なるほど。

 

友人「だから、泣くのが迷惑なんて考えずに、どんどんつれて行ったらいいよ!もっと迷惑な患者はいっぱいいるから!主に成人男性で!

 

この友人のアドバイスのおかげで、それから子どもを歯医者さんに連れていく際の気持ちがとても楽になったのは言うまでもありません。

で、半年ごとに歯科検診の予約を入れて、子どもを歯医者に連れていくようになったのですが、泣いたのは2回目くらいまでで、その後はまったく泣かなくなりました。

歯医者さんとは口腔内をただ「見るだけ」で、痛いこともコワいこともないんだと学習したからでしょう。

2回目は歯医者さんの建物に入ろうとしただけで泣きましたのに、3回目からは全く泣かなくなった子どもを見て、

「赤ちゃんの記憶力ってすごい。」

とびっくりしました。(←その記憶力を現在、テストで発揮できないのはナゼなんだろう???)

 

もちろん、赤ちゃんが100人いたら、100通りの性格があるし、どの子もおんなじように泣かなくなるわけではありません。

でも、同じように早くから歯医者さんの検診を受けた赤ちゃんの多くが、歯医者さんに対する抵抗感を持たなくなることは、経験上強く感じています。

 

虫歯も早く見つけたら、さほどの治療を要しませんし、またほとんどの自治体で子どもの医療費は無料か、非常に安く抑えられているので、歯医者さんでの定期的な検診はいいことづくめです。

 

外出先で子どもに泣かれることほど、親にとって気欝なことはありません。

早めに受診の習慣をつけておいて、大泣きされる機会を減らせるのなら、それに越したことはないと思います。

 

歯医者さんに慣れて、診察台に先生が来ると、「あーん」と自ら大きく口を開けるようになった娘を見て、

 

「早くから連れてくるようにしてよかった!」

 

と強く思った記憶が非常に鮮明に残っています。

歯の生え始めた赤ちゃんをお持ちのご家族には、ぜひぜひ早めに歯科検診の習慣を持たれますよう、強くオススメいたします。

 

 

おまけ。

 

子どもって小さいうちはよく泣きますが、病院ではさらに泣きますよね。男の子は特に。

統計をとったわけではありませんが、病院ではやっぱり男の子の方が「泣き虫」の感じがします。

「注射」となるとなおさらね・・・。

女の子より激しく泣いている男の子をよく見かけますが、どうやっても泣き止まない男の子が、ぴたりと泣き止んだことがあります。

それは、

「幼稚園で同じクラスの女の子に会ったとき。」

 

予防接種を待つ待合室で、ものすごい泣きっぷりだった男の子が、

「あ、○○くんだー!」

と娘が言ったとたんに、泣き止みました。 

 

こんなに小さいのに、「男の子」なんだなあ、とすっごく感心しました。

突発的な病気のときはどうしようもありませんが、各種予防接種の時は、同じクラスのお子さん同士、一緒にお出かけになると、やはり大泣きを防げるかもしれません。

 

でも。

 

ちょっとくらい泣いてもいいんですよ。本当は。

 

だれだって、泣いて大きくなったんですから。

それに、だれだって、永遠に若いまま、健康なままでいられるわけもありません。

元気な人だって、急に具合が悪くなって、新幹線の中で嘔吐したり、だれかに助けてもらうことになるのかもしれない。

いつか、認知症になって、まわりに手間や面倒をかけるようになるのかもしれない。

 

赤ちゃんの泣き声をうるさいと言う人もいるかもしれませんが、その一方で、泣いている赤ちゃんとそのママに「がんばって」と思う人、一緒にあやそうとしてくれる人、そんな人もきっといます。必ずいます。

私の育児中にも、そうしたやさしい人々が周囲にたくさんいました。心ない人よりもずっと多くのやさしい人が。

本当ですよ?

ほんとにほんと。

私の娘は、そんなやさしい人たちの、たくさんの思いやりからでき上っていると感じます。 

これから赤ちゃんをお迎えする方には特に、そのことを忘れないでいてほしいなって思います。

 

迷惑をかけないように、と汲々としすぎて、育児を楽しめないなんてことにならないように、大丈夫、きっとだいじょうぶですよ、どうか心を軽くしていてくださいと言いたいのです。

 

かく言う私の育児もまだ道半ば・・・。(娘はもう高校生ですが、おバカさんでまだまだ甘えん坊です。)

一緒にがんばりましょうね。