気が利かない夫にイラっとする日。
みなさま、こんばんは。
「気が利く」「気働き」「気配り」
なんて言葉をよく聞きます。
人間関係を円滑にするために、これらの概念はとても大切なことだろうと思うのですが、日常生活で常に意識し続けるのってなかなか大変ですよね。
私も常から粗忽者で通っていますから、自分に上記のような長所が備わっていないことは重々承知しています。
ただ、我が家の場合、夫が私に輪をかけて「気が利かない」ものですから、揉め事のタネが絶えません。
たとえば。
ある時、義母が我が家に数日間滞在したことがありました。
夫が仕事に行っている間、私は義母とふたりきりになってしまうのですが、これが苦痛でたまりません。
別に義母がイヤな姑であるわけではありません。
むしろ義母は細かいことに頓着しない、とても明るくて気立てのいい人で、もしも嫁と姑の立場でなければ、私ももっと気さくに楽しくお付き合いできただろうと思うのですが、そこはやはり「立場」というものが邪魔をして、どうにも義母には遠慮や隔意を感じてしまうわけです。
子どもができてからはその遠慮や隔意は一層大きくなったように感じます。
まだ産まれたばかりの娘を抱きながら、
「この子を世界で一番愛しているのは、誰がなんと言おうと私自身である。」
と疑いもしなかった自分。
その時、ああ、私や夫の親も、私たちが産まれたときにはきっと同じように思ってくれていたのだろうと実感して(←私の父の場合、それはちょっとあやふやですけれども)、感謝の念が湧き上がったものでした。
その体験が、私の中の「結婚」というものへの考え方を、やや軌道修正したように思います。
自分以上にこの子を愛しているものはこの世に存在しているはずもないのに、我が子が結婚相手を見つけてくれば、先に寿命が尽きる者のさだめとして、
「どうぞよろしくお願いします」
と言わなければならないのです。
それってなかなか切ないことだと思いませんか?
自分にもいずれそういう日がやってくるであろうことを想像すると、まだ娘は赤ちゃんなのに、じんわりと涙が浮かんでくるような、切なさで胸が焦がれるような、なんとも言えない気分になりました。
おそらくは、義母も私たち夫婦が結婚した時に、そんな感情を抱いたことでしょう。
義母はそんなそぶりを見せずに私を歓迎してくれましたが、子の結婚というものが、親に抱かせるであろう様々な心模様に思い至った私は、それ以来、義母に対してどことなく「負い目」と申し訳なさを感じずにはいられないのです。
(で、それから幾星霜・・・私の娘も高校生になりました。一向に彼氏ができる気配がありません・・・さすがに最近ではお嫁に行き遅れたらどうしようと心配でたまりません。それでも義母に対する引け目は未だに消えないのです。)
こんな風に義母に対して遠慮と申し訳なさをいっぱいに抱えておりますと、言いたいことなんてなーんにも言えないわけです。
義母の言葉に相づちを打つのも気を使います。
たとえば、
「出産したばかりのM(←義母にとってはもうひとりの孫娘)の家に、だんな様のご両親が入り浸っていて、それはとても負担だからやめてあげてほしいわー」
と義母が言ったとして、
「ですよねー。」
と言った瞬間、内心で「あっ!」と失言に気づき、
「お義母さんはこの家にどれだけ入り浸ってもいいんですからね!」
って言い添えた方がいいんだろうか?いや、今さら白々しいだろうか・・・。
と脳内で大量の冷や汗をかく羽目に。
疲れるんですよ・・・端的に言って。
とてつもなく疲れる。
おまけに腹の立つことに、これだけ疲れているというのに、ちっとも痩せない、っていうね・・・人生って不条理!(←どうでもいい)
そしてもうひとつ、腹の立つことが我が家の夫です。
義母との会話で、「ああ言えばいいのだろうか、こう言えば角が立たないのだろうか・・・」、と私がひとり、必死で地雷を避けまくっているというのに、その間、夫はたいてい「ぼー」っとしています。
もともと口数の少ない人ですし、自分から会話を続けようとする努力もしない。
食事中に義母が話していても、新聞を読んだりテレビを見たり。
酷い時には食事が終わったとたんに、ソファーに寝っ転がって本を読み始めたりします。
この時はさすがに「あんまりやわ」と思ったので、たまらず義母の前で夫に苦情を言いました。
「せっかくお義母さんが久しぶりに来てくれはったんやないの。お義母さんはあなたとお話ししたいのんと違う?」
って。
義母は、「ああ、ああ、いいのよ、疲れてるんやろうから。」と言って、夫を庇いました。(←親心とはありがたいものですねえ・・・。)
私は義母がいるにも関わらず、思わず夫に批判がましいことを言ってしまったことを、つくづくと反省しました。
そして心に誓いました。
義母が帰宅したら、夫をギチギチに締め上げてやる!って。ほほ。
おそらくこの世の多くの男性は、何をやっても何を言っても、決して母親から嫌われることはないと知っていて、全身全霊で甘え続けているのでしょう。
立場を変えて、自身のこととして考えればその気持ちも理解はできます。
私にしても、何があっても、娘を愛さなくなることなんてできそうもありませんから。
でも、「妻」は違うんやで?!
とは言いたい。
愛想をつかすことも、キライになることもあるんやからね?!
日々の生活の中で夫に対し、不平や不満があったとしても、もうこの年になれば、やってほしいことも変わってほしいこともどんどんなくなっていきます。
しかしながら、義母や親戚とのつきあいに関してだけは、私の努力でなんとかできることは限られているのですから、もう少しなんというか、「気を利かせてほしいなあ」と思わずにはいられません。
もちろん、
「ママはちょっと気を使いすぎかもよ。あのおばあちゃんを見てたら、なんにも考えてない気がするけどな。」
って娘が言うように、私の方があれこれ気を揉みすぎているのかもしれません。
なにしろ実の娘の結婚式で「人生いろいろ」を歌った人ですから・・・
夫や娘のように、私も少しはぼーっと生きてみたい・・・
いや、やっぱりそれは無理かな。(←チコちゃんに叱られるしね・・・)
夫を挟んでの嫁と姑の関係って、どこまで行ってもむずかしいですねえ。とほほ。