これ以上学校の先生をこき使うのはやめてほしい。

みなさま、こんばんは。

先日、私が所属しているボランティアグループでこんな話が持ち上がりました。

 

「どうも今年から、図書室内にある本の棚卸しをしなくてはならないらしい。」

 

って。

 

棚卸し。

蔵書点検。

 

ぞっとしました。

 

だって、私がお手伝いをしている小学校図書室の蔵書は約7千冊。

それを一冊ずつ「あるかどうか」点検していくなんて、その作業を想像するだけで気が遠くなります。

 

で、一瞬胸中によぎったイヤーな予感は見事的中、ボランティアもそのお手伝いをすることになりました。

 

おそらく、今年の春は何度か図書室に通って本を出したり入れたり、単調な作業をすることになるのでしょう。

一日で済むかな・・・済むはずないよね・・・。

 

憂鬱・・・

 

いや、やるよ?

やります。

やりますって!

ボランティアが手伝わなければ、先生方がやらなくてはならないのだし。

 

でもねえ。

なんていうか、ちょっと納得いかない部分もあるのです。

 

小学校、あるいは中学校の図書室の蔵書点検。

それって、意味あるんでしょうか。

 

いや、図書室の本を大切にすることは教育上大事なことですし、授業に使う本があるかどうかをチェックすることは必要なことかもしれません。

でも、図書室内の本をすべて、1冊残らずきちんと棚卸ししようと思ったら、かなりの時間を要します。

それを学校の先生方にさせようというのは、かなり無理があると思いませんか?

ただでさえ、学校の先生はものすごい量の仕事を抱えて、にっちもさっちもいかなくなっているというのに。

 

私がボランティアをしている学校では、ボランティア側がその「手間」を引き受けることにしましたので、先生方の時間を割くことは実質ほとんどないでしょう。

 

でも、どこの学校のボランティアもお手伝いするとは限りません。

むしろ、「読み聞かせ」以外のお手伝いはしないというグループもたくさんあって、そういう学校では教職員が棚卸しをしなくてはならなくなると思います。

 

私の娘はもう高校生ですが、仮に娘がまだ小学生だったとしたら。

きっと心中複雑になっただろうと思います。

蔵書点検なんかに先生方の時間を費やすくらいなら、やってほしいことは他にもっとたくさんあるのにって。

たとえばよりわかりやすい授業のための研究とか、指導法の研修とか・・・要するに「教育」のために時間を使ってほしいと思うのです。

「蔵書があるかどうか」の点検なんて、先生でなくてもできるけれど、学校での「教育」は先生方にお任せするしかないわけですから。

 

さらに納得できない点は、学校の図書室がそこまで厳密な棚卸しを必要とするのかどうか、今ひとつ腑に落ちない、ということです。

 

仮にこれが一般企業ならばわかります。

売り上げに直結する物品の棚卸しは必須ですし、台帳管理・在庫管理の面からも欠かせない工程であることは明白です。

しかしながら、学校図書館については、仮に所在不明の本が多数あったとしても、それで翌年からの図書購入費が変動するとは思えません。

なぜなら、図書の購入費は児童数によって決定されるもので、蔵書数や所在不明の本の過多によって決まるものではないからです。

 

特に小学校の図書室を見ていると、どうしても本ってなくなったり、破損したりするものなんですよね。

だって使っているのは「子ども」なんですもの。

落とす、破る、なくす、どこかに置き忘れる、そんなのは日常茶飯事。

もちろん、本を大切にすることは非常に大切ですが、そういうハプニングを恐れていては、子どもたちに本と親しんでもらうことはできません。

 

1冊千円から2千円程度の本ばかりの学校図書館

それくらいの本なら「消耗品」として捉え、あまり厳密な管理は求めない方がずっとすっきりすると思うのですが・・・。

 

それでもやはり恒常的に、蔵書点検なり棚卸しをしなければならないというのなら、人件費をケチらずに、人員を増やすべきです。

現行のお仕事だけでもアップアップの学校現場に、ものすごい労力と時間のかかる仕事をさらに押し付けるのは残酷過ぎると言わざるを得ません。

ただでさえ、最近の学校現場はブラック企業並み、と言われているのに、これではますます優秀な人材は先生という職業を選ばなくなることでしょう。

 

昔、「解剖」をする法医学のドクターに解剖後の手術室の清掃をさせようという案が持ち上がった時、法医学の先生方が大激怒して、結局その話が立ち消えになったという報道を見たことがあります。

 

今回の蔵書点検の話を聞いたとき、私はその報道のことをちらっと思い出しました。

学校の先生も、法医学のドクターを見習って、大激怒して抵抗すればいいのに。

なんでもかんでも唯々諾々とおとなしく従えばいいというものではないと思うんですよね。

 

ただでさえ、学校現場は増え続ける仕事に疲弊しています。

先生たちを本来のお仕事、「教育」から遠ざけるばかりの最近の行政の在り様には疑問を感じずにはいられません。

 

どうかしてます、絶対。

 

ボランティアのお仕事もどんどん増える・・・最初は読み聞かせと本の修理だけって話だったのに・・・とほほ。

 

日本人、働き過ぎ・・・というより、意味のない仕事を増やしすぎ!

 

読み聞かせのボランティアは、他の学校のグループとも連携していて、合同の会議もあります。その会議には区の担当者も出席します。おそらく教育委員会の委員とも面識のある人たちなので、次回の会議では絶対文句言ってやる!と固く決意しています。

 

マミーさんだって、言う時はちゃんと言うんだ!!

怒るとコワいんだぞー!(←夫が横で深く頷いています。)