ママはドラえもんではありません。

みなさま、こんばんは。

 

先日、娘を連れてお買い物に行ったときのこと。

私たちの前を歩いていた高齢の男性が、角から出てきた別の男性を避けようとして、身体のバランスを崩し、すとん、と尻餅をついてしまいました。

 

また間の悪いことに、男性が倒れ込んだのは自転車の駐輪場。

倒れる際に自転車に触れてしまったのでしょう、周囲の自転車が雪崩を打って一気にバタバタと倒れてしまいました。

 

その場にいた人たちはいっせいに駆け寄って男性を助け起こそうとしたり、「大丈夫ですか?」「お怪我はないですか?」と声をかけたり、大騒ぎになりました。

幸い、お怪我もなくご無事だったようなので、誰からともなくみんなで自転車を片付け始めました。

 

ふと目を上げると、娘も黙々と倒れた自転車を起こして並べています。

その姿を見て、

「そうだった、こういうところ、骨惜しみしない子だった。」

と思いつつ、他にあれこれ欠点があったとしても、自分の子どもがこんな時に見て見ぬふりをしてしまうような人間でなくてよかった、としみじみ思いました。

 

しかしながら。

 

その「誰に褒められずとも」「骨惜しみせず」「縁の下の力持ち的作業を厭わない」美質のようなものが、

 

「親に対してだけは発揮されない」

 

というのは一体どういうからくりなのでしょうか。

 

「まる子ちゃん(←仮名です)、掃除機あてて。」

 

と頼むと、

「え~。イヤ。」

って必ず返ってくるのはナゼなんだ?

 

「まる子ちゃん、洗濯物を持って行って。」

「え~、後で。」

 

・・・洗濯して、干して、取り込んで、畳む、までを親にやらせたんだから、せめて自室に運ぶくらいのことは、言われたらすぐにやりなさいよっ!と私が怒るのは不当でしょうか?

 

ま、いいんですよ、母親なんてそんなもんです。

子どものために尽くすのは喜びみたいなもんですから、別にいいんですけどね。

 

でも、頼み事を聞かないどころか、親を「こき使ってやろう」なんて態度はいただけません。

 

先日。

娘が言うのです。

 

「ねえねえ、ママー、これから私、自己紹介せなあかん場面が増えると思うんよね。

でさー、「ケーキ作りが趣味です♡」って言ってもいい?んで、みんなにケーキ作ってー、って言われたら、「助けて~ママえもん!」を発動してもい~い?」

 

・・・逆に聞きたい。

どうしてそんな、自分にとってのみ都合のいい、得手勝手な話がまかり通ると思うのか・・・?

 

あかんに決まってるやろー!!!

 

だいたい、ママは忙しいねんっ!

しかもその忙しさのおよそ6割はあんたのせいやねんでっ!!

卵をちゃんと割れるかどうかも怪しいのに(←あかん)、ケーキを作れるなんて、おこがましいにもほどがあるっ!「ケーキ作りが趣味です、今この瞬間にそうなりました、実際に作ったことは一回もありません。」って言うときっ!!!その方が自己紹介もウケるわっ!!!

 

と大激怒したことは言うまでもありません。

そもそも娘が「ええかっこ」したいがために、どうして私がせっせとケーキを焼かなくてはならないというのか・・・そんな不条理な人生があっていいのでしょうかっ?!

 

で、この際、本当にケーキを焼くくらいのことは自分でやってもらおうじゃないの、と一念発起(←私が)して、娘にケーキ作りを指南することにしました。(←結局私が忙しくなる羽目に・・・)

 

まず最初に焼いてみたのはシフォンケーキ。

食べちゃったので写真はありません。(←あかん)

おいしかったです。

 

で、今回挑戦してみたのはガトーショコラ。

ちょっと難易度は上がりますが、おいしいんですよ、これが。

コツはメレンゲをしっかり泡立てること。それだけ。

 

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シフォンケーキ用のメレンゲはもう少し柔らかめでいいのですが、ガトーショコラの場合はしっかりしたメレンゲが必要です。根気よく、角が立つまで泡立てましょう。

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オーブンに入れる直前の生地。

型に流し込むときに、生地がひらひらと、リボンのように落ちていくと、成功の証。

 

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出来上がり。

焼き立てよりも、翌日の方がずっとおいしくなります。

当日は食べるのをぐっと我慢することをオススメします。

 

娘と一緒にキッチンに立つと、その手つきのおぼつかなさに、ついついイライラしてしまいます。

もっとちゃんとお料理もケーキ作りも教えておけばよかったなーと思ったり、いや、私だって娘時代には、なーんにもしなかったし、それでも別段、困った記憶はないしなー、と、いろんな想念が頭の中をよぎります。

私とほぼ同じ身長になった娘と憎まれ口をたたいているうちに、オーブンから漂ってくる甘い香りが私たちを包み始めます。

そんな瞬間が、いわゆる「幸せ」というものなのかしら、と思ったり、やっぱりちょっと私の育児は甘やかしすぎたかな、と反省したり、物思いは尽きません。

 

おまけ。

 

フランス人の友人から、とってもうれしい贈り物が届きました。

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フェーブがこんなに大量に!

セネシオさま、marcoさん、ピカちゃん見てる~?

いいでしょ、いいでしょ~。

 

でも、フェーブって、保存がちょっと難しいですよね・・・?

実は本棚に飾っていたフェーブが、去年の地震で落下して、一部欠けてしまって大ショック・・・

どんな風に飾ればいいのかなーと悩んでいたところ、100円ショップで小さい箱を見つけたので、それを飾り棚に見立ててみました。

 

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フェルト地に透明な糸でフェーブを縫い付け、フェルト地を箱に接着しました。

これで天地をひっくり返してもフェーブは落下しなくなりました。安心安心。

 

・・・でもかなりめんどくさかったので、もうやりません。ほほ。