「ちょっとそこまで」に京都がある幸せ。
ひと月ほど前になりますが・・・母と一緒に京都に遊びに行きました。
「時間があるから、ちょっと京都まで遊びに行こうか。」
大阪に住んでて得したな、って思える瞬間のひとつがこれ。
今や日本国内どころか、世界中のツーリストの垂涎の的、「あの」京都まで、電車でたったの1時間。
これってなかなかポイント高くないですか?
でも それが大阪人にとってはごく当たり前の日常、普通のことなんですよー。(←自慢)
デートにしても女子会にしても、あの京都が使い放題、行き放題!
ところが。
いざ実際に大阪に住んでいると、「京都に行こう!」とはなかなかならないものなんですよね。
近すぎて「いつでも行ける」と思うからでしょうか。
手近に遊べるところが大阪市内にたくさんあるからでしょうか。
小学生のころから、遠足と言えば京都・奈良。
「嵐山の渡月橋」付近なんて、幼いころから
「遠足でお弁当を食べるところ!」
としてインプットされているものですから、世間で騒がれているほど京都に夢とか幻想とかを抱けないのが大阪人というものなのです。
でも、最近の京都ブームは凄まじいものがありますよね。
せっかく関西に住んでいるのだもの、たまにはそのブームに乗ってみるのも悪くないかも!とお出かけすることにしました。
大阪梅田駅から阪急電車で約40分。
下車したのは京都・烏丸。
「烏丸」って地名も、いかにも京都らしい、と思いませんか?
どう考えても「からすまる」と読むはずなのに、そこは「からすま」。
いつ、どうして「る」が抜けちゃったのかしら。
以前、大阪天王寺界隈をうろうろした時にも思いましたが、古い土地の名前というのは、不思議と興味をそそられるもの、京都にはそんな地名がいっぱいです。
麩屋町通。
御幸町通。
標識では「ごこまち」になっていますが、よく耳にするのは「ごこうまち」。どちらが正しいのやら。大阪人にはわかりません…。
三条通。いかにも京都っぽい!(←謎のミーハー的喜び)
蛸薬師通。
どうしてそうなった?!って思わず考え込んでしまう地名のトップテンに余裕で入りそうな勢い。
こんな名前に出会えるところが京都の醍醐味!
と、ひとりで地名標識にテンションが上がりまくり、写真もいっぱい撮ったのですが、誰にも共感してもらえそうにないので、ここらへんでやめときます。
この烏丸あたりの街では、河原町や先斗町とは違い、京都らしい古い町並みはあまり見かけません。
代わりに、モダンな建築様式のビルがたくさん。
1階はカフェのもよう。
こちらはブティック。赤いレンガがとってもおしゃれ。
なんか重厚な建物・・・と思ったら、
文化財でした。だけどちゃんと現役。
こちらはなんだかドラマの撮影に出てきそうな雰囲気。中から出てくるのはオダギリジョーであってほしい。浅野忠信でも可。
ここも1階はカフェ。というより喫茶店。ちょっと懐かしい感じがします。
歩いていると、目の前を学生さんが通り過ぎていきました。
まあ、珍しい、今時「角帽」だなんて!…思わず凝視しましたら、なんと足元は素足に下駄!
どこの学生さんかしら。
京都は大学だらけなので、どこの学生さんなのかは想像もつきません。
彼の出現のおかげで、ますますこの界隈が大正ロマン風の街角に思えてきました。
目的地まで歩くこと約10分。
たった10分の間に、こんなにたくさんの味わいのある建物、街並みを見ることができるなんて。
観光地としての京都の威力のようなものをしみじみ実感しておりますと、
「いいなあ、京都。こんなところなら住んでもいいなー」
と母がのんきなことを言いだして、ちょっと笑ってしまいました。
どう考えても我が家の経済状況では、こんな街にお家は買えません。
なのにどうしてそんなに「上から目線」なのか…。ポジティブにもほどがあります。
「京都の中でも一等地、頼んでも住まわせてもらわれへんよー。」
と私が夢のない返事をしていると、目的地が見えてきました。
この日の目的地。
「京都文化博物館」
こちらはもともと日本銀行京都支店だった建物ですが、現在は博物館の別館として使用されています。
中が素晴らしいんですよ。
入口を入ってすぐ、上を見上げるとこんな感じ。
高い天井、その凝ったデザインや木目の美しさ。思わずため息が漏れます。
こんな天井、今ではなかなか見られないだろうなあ…ちょっと感動。
ずらりと並んだ小さな窓口。いかにも「元・銀行です!」って感じがして、とっても楽しかったです。古い映画に出てきそう。
現代の無機質な銀行とはかけ離れたデザイン。
こんな銀行があったら絶対口座を作るなあ、としみじみ。ちょっとしか預けられないけど・・・
窓口の中は、今ではコンサートなんかに使われているようです。
でもこの日の目的はこの古い建物見学ではなくて。
こちら。
そう、「戦国時代展」。
戦国時代の資料や美術・工芸品が一挙に公開されるということで、やってきました。
内部は撮影禁止でしたので、写真はないのですが、期待以上に楽しめました。
国が乱れ、戦乱に次ぐ戦乱というイメージしかなかった戦国時代。
でも、その中にあっても、人の営みというものは、現代とそう変わらないものがあったのだなあという印象を強くしました。
特に、驚いたのは陽明文庫所蔵の「近衛文書」。
黒々とした墨が、今も和紙の上にくっきりと鮮明で、数百年もの昔に書かれたものとは到底思えませんでした。
和紙と墨の組み合わせのなんと優秀なことか。
明治時代に西洋から入ってきた紙がすでにボロボロになっていることを思えば、和紙の強さは驚嘆すべきものがあります。
また、全く色あせない墨の威力も驚きでした。
以前、テレビの取材で、
「うっかりついた墨ってどうやって落とせばいいんですか?」
と聞かれた墨の製造会社の人が、
「落ちないのが墨なんですよっ!!」
とマジ切れしていたのを見たことがあるのですが、黒々と艶やかな墨の色を見て、その言葉の意味がようやくちゃんと理解できた気がしました。
すみません、思ったよりも長くなりました。
続きは次回。
実は、ひと月近く前のことで、あんまり記憶が明瞭でなく(←さっさと書いとけよ、って自分でも思う…)、おまけにいつものことながら、まともな写真がありません。
グダグダになりそうだなー、この記事書くの、やめようかなーとつぶやくと、夫が
「そんなん、いつものことやん?」
と言うので、まあ、それもそうだよね。と納得して(←あかん)公開することにしました。
次回もこの調子でグダグダが続きますが、お付き合いいただけるとうれしいです。