「よそいき」って古い?
かなり以前のことになりますが、テレビで、ある有名デザイナーがこんなことを言っているのを聞いたことがあります。
「いまどき”よそいき”のお洋服なんてものはない。」
って。
びっくりしました。
要するに、いつなんどきでも、お洋服には「気合い」を入れておかねばならない!ってことなのでしょうけれど…。
でも、個人的には
「よそいき」のお洋服なんてない。と言われると、
ちょっぴり寂しい気がします。
お正月に真新しいお洋服を誂えてもらって、それに袖を通すときの、清々しいような、浮き立つような気持ち。
お出かけのための、とっておきの一着を、帰宅してから脱いでしまうのが、ちょっと惜しいような寂しいような気持ち。
大事なよそいきのお洋服に限ってカレーやケチャップをこぼしてしまって、
とってもみじめだった時の思い出。
そんなお洋服に関するあれやこれやの思い出も
「よそいき」のお洋服があってこそ、だと思うのです。
よそいきのお洋服がなくなってしまったら、そんな思い出も感慨もなくなってしまうのだなあ、と寂しく感じていましたら、
友人から、小学校高学年の娘さんの「よそいき」のお洋服を作りたい、
と協力要請が入りました。
「よそいき」って言葉に反応して前のめりに話しを聞いていたら、
彼女の話しのメインは
「ハンドメイドで♡」だったので、
思わず3歩くらい引きました。
なにしろ、彼女の作った雑巾は、雑巾ですら、とーっても「前衛的」…。
遠まわしに、いや、かなりはっきりと
「買ったら?買えばいいやん。買おうよ!」
って3回言ってみましたが、説得に失敗、
で、結局、最初の危惧通り、もしくは友人の目論見通り(?)私が作る羽目になりました…。
なんか写真がブレブレですが…。
黒のワンピースです。コンセプトは「賢そうに見える!」こと。(いや、彼女の娘さんはまちがいなく本当に賢いお子さんですけども。)
あまり派手なお洋服はNG…な集まりに着ていく予定とのことで、おとなしめのデザイン。
でも襟とカフス部分とをシルクにして、特別な日のための一着って感じを出しました。
出したつもり。出てたらいいな…。
で、この娘さんには小さい妹さんが。
お姉ちゃんにだけ新しいお洋服が届いたらちょっとショックなのでは、と思って、
作ってみました。
まだ未完成…。
水色のワンピースです。
襟の部分がつけ襟になってます。
取り換えると、
こんな感じ。
ミモザのお花の刺繍をがんばってみました。
めんどくさかったです!(←正直)
でも小さい女の子にはこんな可憐な刺繍が似合いそうです。
で、
思ったんです。
ここまでがんばったのだから、
裾上げと仕上げのアイロンがけくらい、友人がやればいいのでは!?って。
なのでここらへんで送ってしまおうと思います…。
正直言うと、スイッチが切れちゃいました。えへ。
たぶん、裾上げくらいは彼女にもできるだろうと思います。たぶん。いや、きっと…。
神さま、お願い、彼女にもできますように…。
たとえ「よそいき」という言葉が死語になる日がやってきたとしても、
特別な日の、とっておきのお洋服や、その思い出は、
女の子の人生に必要不可欠な気がします。
できることなら、
私の作ったお洋服が、小さな姉妹の心の中で、大切な思い出になってくれますように。
おまけ。
先日、セネシオさんの記事で、ベルギーにある日本庭園の写真を見ました。
このベルギーにある日本庭園、とってもクオリティが高いなあってびっくりしました。
以前、友人から送られてきた、南仏の日本庭園の写真がちょっと「アレ」な感じだったので…。
たとえば。
こんなのとか。
鹿威し風なのかな???
鹿どころか鳥でさえ追い払えそうにありませんけれども。
失笑。
石の上じゃなく竹の上で修行なのね。
まあこれはこれで、ちょっと大変そうではあります。
日本風じゃないよね?
もっと南国風よね?ね?
もはやどこから突っ込めばいいのかわかりません…。
友人は「日本庭園」って言ってましたが、正確には、
「ヨーロッパで想像しうる、ありとあらゆるアジアンテイストをミックスした庭園」
って名前に変更した方がいいんじゃないかな、って思います。長いけど。
そういえば、この写真を送ってきた友人は、私が京都に遊びに行くと言うと、
それが紅葉狩りやお花見目的であると言っても、必ず、
「竹ある?竹!竹林!」
って騒ぎます。
なんで竹なんだろうと思っていたのですが、この庭園にはやたらと竹が。
こんな竹林が日本のイメージなのかなあ。
日本の竹…私にしても、かぐや姫とエジソンくらいしか思い浮かびませんでしたが、
それにしても、この竹林はちょっと「大味」過ぎる気がします。
「ぐさぐさすぎる…」って思いました。
ということで、友人にはこの嵯峨野の写真をネットからお借りして送っておきました。
全く同じものではないものを、全体として調和させ、美しく見せること。
そのために払う多大な手間を抜きにして、日本の庭園の美しさは成り立たないのかもしれません。
日本庭園と言えば、この美術館!ってイメージなのですが、
そもそも、私の写真の腕がまずくて話しになりません…。あーあ。