はてなさんにお願い・・・。

 

先日、とてもうれしいことがありました。

 

コメント欄でお話ししていたことをきっかけに、

セネシオさまが記事を書いてくださったのです。

 

cenecio.hatenablog.com

 

はてな」を始めてから、コメント欄でいろんな方といろんなお話しをするようになりました。

自分の生活や興味にとても近いことから、まったく門外漢のことまで、「はてな」には幅広い話題や経験があふれているので、毎日が「へえ!」と驚いたり、「なるほど」と納得したりの連続になりました。

 

読んでいるだけでもとても楽しく、好奇心を刺激される毎日ですが、

コメントのやりとりを通じて、まったく未知の方々と、お話ししたり情報や感想のやりとりができるのって、すごいことだなあ、幸せなことだなあとつくづく思います。

 

今回、セネシオさまが記事に取り上げてくださったマーガレット・ワイルドの「キツネ」は、私が最近、強い衝撃を受けた絵本なのですが、その衝撃というのがあまりにも大きすぎて、冷静にレビューすることなんて、私にはとてもできそうもありませんでした。

 

キツネの最後のセリフを初めて読んだ時なんて、「ひぃぃぃ・・・」という感想しか出てきませんでしたから、セネシオさまの記事を読んで、やっぱりすごい!さすがだなあ!と感嘆してしまいました。

 

この「キツネ」という絵本については、セネシオさまのブログを読んでいただくのが一番だと思うのですが、一応絵本の情報と感想だけ。

 

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「キツネ」 マーガレット・ワイルド:著 ロン・ブルックス:絵 寺岡襄:訳

BL出版

 

現在、この絵本はどこの小学校にもありますが、できれば大人の方にこそ読んでほしい1冊です。

孤独、嫉妬、暗い情念、そして絶望。

1冊の中にこれほどまでに「負の感情」が詰め込まれている絵本はめったにあるものではありません。

書店ならともかく、私がこの絵本を見つけたのは小学校図書館ですから、出会った時の戸惑いはさらに強く、甘いキャンディーだと思って食べたらキャンディーの形をしたワサビだった!くらいの衝撃を感じました。

 

また、正直に言って、この絵本は学校での読み聞かせに向いているとは言えません。

とにかく「読みにくい」からです。

こんな感じ。

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ロン・ブルックスの手書き文字によって構成されている原作に忠実に、日本語版も手書き文字で書かれています。(ちなみにこの手書き文字は人気絵本作家:川端誠氏のもの)

レイアウトにしても、縦書き・横書きがひとつのページに混在しているので、読みづらいことこの上ありません。

 

でも、これも作者の思惑通りなのでしょう。

 

なぜなら、この絵本は「さらっと」立ち読みしていい本ではないからです。

目を凝らし、本に顔を近づけて、じっくりと一生懸命に向き合うべき1冊だからです。

 

荒野から、遠吠えひとつ残し去って行ったキツネ。

本当の嫉妬を知る者だけが、その胸中を知ることができるでしょう。

 

読者はキツネの暗い情念と、真っ正面から向き合うことを余儀なくされます。 

無意識に鏡をじーっと見ていたら、思いもかけず己の最も醜い部分を、鏡の中の自分に見てしまったような、焦燥感が残る読後感。

いささかつらい読書体験になるかもしれませんが、読んでおくべき1冊という気がします。

 

 

ところで、この絵本の作者、マーガレット・ワイルドとロン・ブルックスは、

「ぶたばあちゃん」という絵本も出していて、そちらもとても有名です。

 

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「ぶたばあちゃん」 あすなろ書房

 

この世界にあふれる歓びと希望の輝かしさ、

それを守ること、慈しむこと、

そしてそれらを誰かに引き継ぐこと、

そのあとで正しくお別れをすること。

一番いい方法でさよならを言いあうこと。

 

「キツネ」と同じ作者が書いたとはとても思えない1冊です。

共通点と言えば、こちらも読み聞かせには使えませんってことだけです。こちらは感動のあまり泣いちゃうからね・・・。

 

やはりコメント欄で、絵本「わすれられないおくりもの」についてお話ししてくださったりんさん((id:miyamarin))におススメの1冊です。

おばあさまとの思い出を大切になさっているりんさんなら、この絵本との出会いはきっと貴重なものになるでしょう。

 

 

こうして、「はてな」やそのコメント欄は、私の日常に様々な影響を与えてくれます。それらのほとんどは、私の心を豊かにしてくれるものです。

 

志月さんの「遠野物語」についての記事を読んだ時もそうでした。

 


 

はてな」の中で、誰かが置いたおはじきを、他の誰かがそっと拾い上げたり、磨いたり、そこから話しがどんどん広がって、「ああ、そんな見方が!」と驚いたり、「そうそう!そうなの!」と共感し合ったり。

 

それって、本当に幸せなことだと思うのです。

 

仮に現実の世界で、セネシオさまやりんさん、志月さんのように教養の高い人たちが目の前にいたとしたら、気後れと緊張のあまりなんにも言えなくなっちゃいそうなのですが(口を開くと「あほ」がバレちゃう!・・・もうバレてるって?ありりー)、でもそんな素晴らしい方々と、今こうして交流が持てることは、私にとって望外の喜びなのです。

たとえ生涯おめもじ叶うことがなかったとしても、ここでこうして交わしている会話も、実体のあるものとして、大切なものであることに変わりはありません。

 

ということで、「はてな」さん・・・。

 

早くコメント欄の不調、直してくださーい!

 

お願い!