昭和ノスタルジー

みなさま、こんばんは。

 

相変わらず「淀川を渡る」ことにはまっています。

今日は「新淀川大橋」を渡ったその先の様子をご案内。

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でもまずは新淀川大橋の上で。

西中島南方」方面を振り返ったところです。

大阪メトロがすぐ隣を走っています。

「マルーン色(海老茶色)」が特徴的な阪急電車と違って、シルバーの車両が大阪メトロのシンボル。中津駅から西中島南方駅の間で地上に上がって(←地下鉄なのに)、江坂駅から北大阪急行に乗り入れ、千里中央駅まで走ります。

写真右奥には日清食品大阪本社ビルが見えています。

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ずっと大阪に本社のある会社だったのが、安藤百福社長が亡くなったとたん、あっという間に東京に本社を移してしまった日清。まあ、その気持ちはわかるかな・・・。日清の社員さんたちにしてみれば、むしろ、社長が亡くなるまでよく我慢した!って感じじゃないでしょうか、知らんけど。

 

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新淀川大橋を渡りきると、そこは豊崎町

JRの線路がすぐそこで、キティちゃんのパッケージ電車が通っていたので慌ててシャッターを押したのですが、何が何やらさっぱりわからない写真になりました。

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おそらくこの電車が走っていたのだと思います。特急「ハローキティはるか」。

キティちゃんの新幹線はしょっちゅう見かけますが、「ハローキティはるか」は初めて見ました。私の写真はひどいけど、実物はかわいいんですよ、本当です。

 

ところで豊崎といえば、梅田のすぐお隣。

ここまでくれば梅田駅まで徒歩10分の距離。

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写真中央にうっすら見えているのが(たぶん)梅田センタービル

写真だと遠くに見えますが、ほんとに、歩いてすぐなんですよ。

 

これほど梅田に近いというのに、このあたりはごくごく「ふつー」の住宅街。

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本庄西商店街」って看板があるけれど、一体どこが商店街なんだろう?

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昔は商店街だったのかな・・・今は民家が連なっているだけに見えます。

梅田駅からの近さを考えると、この住宅街があの狂騒的なバブル期を、昔ながらの雰囲気を抱えたまま生き残れたことが、不思議でさえあります。

「奇跡の路地だなー」と感動しつつ歩きました。

 

豊崎」から少しだけ南に下ると、「中崎町」に入ります。

こちらも梅田まですぐそこ、の距離ですが、やはり民家の立ち並ぶ古い街です。

なにしろこんなお店が現役!

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うーん・・・何屋さんなんだろ?

私がまだ小さかったころ、ご近所にはお菓子やパンを売っているこじんまりとした個人商店があったものでしたが、もし、ああいうお店が今も生き残っていたとしたら、こんな風情になったのでしょうか。

大型スーパーやコンビニに淘汰されなかった、これも奇跡の生き残り。昭和の名残りかもしれません。

 

で、中崎町といえば、梅田のような繁華街とは少し違う方向性を打ち出して、観光客の注目を集めつつある街です。

ごくごく普通の民家の間にいろんなお店がちりばめられて、昭和レトロな街を作っています。

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個性的なヘア・サロン多め。

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民家を改造したおしゃれなカフェやレストランはもっと多め。

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洋服屋さんも雑貨屋さんもいっぱい。

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フクロウやハリネズミもいる猫カフェ
あっという間に満員になって、入店できませんでした。残念。

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猫カフェもう一軒。

窓からお外をのぞく看板猫さんを発見。

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横顔が凛々しい♡

そして天使の羽根の首輪が愛くるしい。

写真がへたっぴなのが、返す返すも残念です。

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狭い路地には地域猫さんの姿も。

写真がへたっぴなのが・・・以下略。

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蔦に覆われた民家発見!

廃屋か?!と思って近づいてみると、

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なんとまあ、営業中のカフェでした。びっくり、びっくり。

 

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ああ、なつかしい。

毎朝、届けられる牛乳。空き瓶をここに返しておくんですよね。

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見てこれ!井戸?井戸ですよね!?

今も現役なのかしら・・・「つるべ」がないところを見ると、もう使われていないのでしょうか。でもすぐそばには水で満タンのバケツがふたつも・・・井戸から汲んだのかしら、ああ、気になる・・・。

ここ、梅田から徒歩10分ですよ・・・

これが羽曳野や河内長野なら驚きませんが(←失礼!)、大阪市北区で井戸!信じられません!

 

コロナウィルスのせいで観光客が激減しているせいでしょうか、大阪の観光地もホテルもこのところ閑散としています。

でも、中崎町は、地図を片手に散策をする若い人でそこそこの賑わい。

街の規模から考えると、ちょうどいい観光客の数に思えました。

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こんな看板を見つけて、ふとその「せま~い路地」を振り返ると、

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ほんとに狭い!

地図を片手に散策する人々は、お店の看板や表示を見つけるたびに、

 

「ああ!あった!・・・え?あれ・・・あれ・・・?」

とか

「あ、あそこ・・・え???えぇ・・・?」

 

なんて声を上げ続けています。

それでも楽しそうに、狭い路地を行ったり来たり。

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まるで突然のタイムスリップに巻き込まれたような、知らない街に迷い込んだ異邦人になったような、そんな気持ちになれる仕掛けがたくさんある街でした。

 

歩き疲れて入ったお店は古民家を改修した「うてな喫茶店

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なつかしい柄入りすりガラスがいっぱい。引き戸というのも、いいなあ。雰囲気があります。

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年代物の食器棚にはサイケデリックな柄の珈琲カップがずらり。

カウンターの上にはちいさな食器がたくさん並んでいて、おばあちゃんの家を思い出しました。

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灯油ストーブ、まあるい照明、裏庭を覗ける窓にすすけた壁、傷だらけの柱。

すっかり時代遅れになって、新築家屋のモデルとしては人気の上位から滑り落ちた感のある昭和の家。

でも、柱時計が「ボーン」と鳴った瞬間、おばあちゃんの家で過ごした少女時代のひとときが一気によみがえってきて、そのノスタルジーは私の胸を苦しくしめつけました。

縁側、広めの和室、砂壁、欄間、こたつの上のみかんに、編みかけの毛糸の山。

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深煎りのコーヒーと「うてな」さん一番人気のチーズケーキ

店内には丁寧に挽いたコーヒーの香りが立ち込めているのに、私の脳裏によみがえってきたのは、「おばあちゃんの家」の食卓に並んだ食事の数々や、従姉妹たちとおやつに食べたスイカやカルピスの匂いなのでした。

 

もう一度、あの頃に戻りたいという、強い願いがあるわけではありません。

けれども、なつかしいおばあちゃんの家の縁側で、なにをするわけでもなくただ庭を眺めていたあの頃の、その空気を味わうことはもう二度とないのだと思うと、ほんのりとした寂しさを感じずにはいられませんでした。

 

すれ違った若い女性が、

 

「ああ、この街で一人暮らししたい!」

 

と呟いたのが印象的でした。

 

狭い路地を通り抜けながら、私もちょっとこの街で暮らしたくなりました。

それが無理なら、せめてあの柱時計だけでも、どこかで入手できないだろうかと、ちらと思いました。

 

手漉きガラスを通してみる風景は、ほんの少し揺らめいて見えました。

もう戻れない過去の残像は、いつだってそんな揺らぎを伴って、本当の姿よりもずっと美しく甦るのかもしれません。

 

おまけ。

我が家で大活躍中のホームベーカリー。

「胡桃と黒すり胡麻の食パンが一番おいしい」とブナさんが教えてくださったので、焼いてみました。

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ほんっとにおいしい!!!

胡桃の食感が香ばしいし、胡麻の香りも最高です。

こんなパンが自宅で食べられるなんて・・・我が家のホームベーカリーはますます活躍しそうです。

ブナさん、ありがとうございました。